【交差点】ビクトリア公園でエイサー


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 金魚すくいやヨーヨーなどの遊び、盆踊りなどを披露し、日本と香港との交流を深めようとこのほど「日本の祭り」がビクトリア公園で催され、多くの人でにぎわった。
 会場の縁日エリアでは、たこ焼き、焼き鳥、ビールなどが売られ、日本の祭りを再現。日本の観光エリアでは、沖縄や北海道など7地域のブースを設け、香港から観光客を呼び込もうと地域の観光地などをPRした。メーンステージでは日本から招かれた阿波踊りや沖縄のエイサーなどが入場者を楽しませた。
 エイサーを披露したのは、那覇市の小中学生や市役所の職員らで構成する那覇太鼓のメンバー15人。伝統的なエイサーを基に、独自に工夫を凝らした創作エイサーが人気を集めた。「ドン、ドン、ドン」という大太鼓の音に子どもたちのたたくパーランクー、軽快な踊りがうまくかみ合い、観客を魅了した。
 日ごろから練習を積んできた成果を、大勢の観客に気後れすることなく笑顔で披露する姿に感心させられる。
 彼らの演舞は沖縄ブース周辺でも披露され、多くの人だかりができた。あるブースの出展者は「沖縄はにぎやかでいいですね」と、多くの人を惹(ひ)き付けるエイサーをうらやましそうに話した。
 沖縄の唄(うた)や踊りなど地域にはぐくまれてきた伝統芸能を若者が受け継ぎ、独自に工夫を凝らし披露する。伝統芸能の深みと沖縄観光の厚みを感じた。
(志村正人・県産業振興公社香港事務所長)