【本部】本部町地域包括支援センターは8日、同町文化交流センターで介護を考える集い「泉とオバーのよんな~笑って介GO~」を開催した。お笑いタレントの喜舎場泉さんが、認知症の母の介護体験をオバー(山田力也さん)とのコントで披露し、会場の笑いを誘った。
喜舎場さんは介護に携わる人に笑顔を届けようと昨年11月に講演を始めた。コントの前後には認知症への正しい理解を深めてもらおうと、オリブ山病院精神科医の徳和子さんや、おきなわ介護福祉研究所代表の羽鳥訓秀さんが認知症について毎回登壇している。コントの最後には喜舎場さんの母親の初子さん(84)が登場して得意の歌を披露し、会場は盛り上がった。
本部町によると、町内では高齢者の増加で認知症に関する相談が増えており、認知症に絡んだ虐待や貧困も課題となっている。町が住民に認知症を正しく理解してもらおうと取り組む中で、喜舎場さんの活動を知り、イベントが実現した。イベントの開催は今年2月以来2回目。町によると、初回は新型コロナの影響で人数を制限したため、町民から再度開催を要望する声が多かったという。
喜舎場さんは講演後、「介護者が笑顔で接すれば介護される側も笑顔でいられることを、母の介護を通して母が教えてくれた。認知症の人ができることを奪わないでほしい」と語った。
自身も親の介護経験を持つ山田さんは「男女関係なく介護は経験することだ。みんなが笑って過ごせるようになってほしい」と願った。
(武井悠)