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「音に変えて残したい」首里城の破損瓦をウクレレに、制作の職人が園児に「チャレンジを」と語りかけ 沖縄・浦添


「音に変えて残したい」首里城の破損瓦をウクレレに、制作の職人が園児に「チャレンジを」と語りかけ 沖縄・浦添 ウクレレと首里城破損瓦を子どもたちに見せる大城さん(同保育園提供)
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 【浦添】浦添市前田のライオンの子保育園(末広尚希理事長)で12日、ウクレレ職人の大城欣哉さん(51)を招いて講話が開かれた。大城さんは、県産木と首里城の破損瓦を用いて制作したウクレレを手に、挑戦する大切さを説いた。

 読谷村に工房を構える大城さんは、祖父母が首里に住み、自身も幼少時に城西小学校に通い、折に触れて首里城に親しんだ。首里城が焼失した時、かつての首里城を「音に変えて残したい」と、破損瓦を用いてのウクレレ製作に取り組んだ。首里城にも使われていたオキナワウラジロガシなどの県産木を用い、ボディーやネック、ペグ、ヘッドに、首里城を模すように破損瓦をあしらった。

 大城さんは「何もしないことが最大のリスクと常に思って、チャレンジを続けてきた。周りの大人ができないと言っても、やってみたら成功するかもしれない。思ったことにチャレンジしていってほしい」と、園児に優しく語りかけた。末広理事長は「沖縄の自然や文化に思いを寄せて作られた、世界でただ一つのウクレレと、大城さんの思いに触れ、貴重な経験になった」と話した。

 (藤村謙吾)