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せりふは全て島言葉 「銭借人」「宮平の笠おどり」約40年ぶりの復活演舞 若手に継承も 南風原芸能交流会


せりふは全て島言葉 「銭借人」「宮平の笠おどり」約40年ぶりの復活演舞 若手に継承も 南風原芸能交流会 42年ぶりの復活演舞となった「宮平の笠おどり」
この記事を書いた人 Avatar photo 岩崎 みどり

 【南風原】南風原町の地域芸能が一堂に会す「第30回南風原町民俗芸能交流会~村みぐい踊いみぐい舞い咲かしゃ~」(町教育委員会、町民俗芸能保存会主催)が10月29日、町立中央公民館で開かれた。舞踊、棒術、狂言、獅子舞など15演目が上演された。40年ぶりに披露される演目もあり、観客たちは地域に残る伝統芸能を楽しんだ。

 宮城に伝わる狂言「銭借人(じんかやー)」は約40年前に最後に上演された。金持ちで歌を詠むのが好きな伊計親雲上(イケーぺーチン)から借金した与那嶺(ユナンミー)が、伊計親雲上の新築の家や庭を褒めたたえて上機嫌にさせて、借金を帳消しにする話。與那嶺圭一さん(38)と國仲正也さん(39)が演じた。せりふは全て昔ながらの島言葉で、数週間かけて練習したという。2人のテンポ良い掛け合いに会場から笑いが起きた。三線の與那嶺俊和さん(69)は40年前の公演にも地謡で出演した。

約40年ぶりに上演された宮城の狂言「銭借人」=10月29日、南風原町立中央公民館

 「宮平の笠おどり」は42年ぶりに大舞台で披露された。前半は女性が恋人の所に忍びゆく様子、後半は恋人に会えず切ない思いで帰る姿を表現している。宮平在住の許田美幸さん(51)が、母から引き継いだ舞をしっとりと踊った。

 このほかに、照屋の「揚作田節」は約20年ぶり、本部の「ハーベールーモーイ」は約10年ぶりに上演された。

 獅子舞は、宮平、神里、本部が披露。獅子の姿、舞や型の違いが際立った。どの自治会も、芸能に触れるのは初めてという住民が多く出演。若手も多く、開催を通して地域の伝統芸能が受け継がれていた。

 (岩崎みどり)