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民具、工芸品、棟方志功の水墨画まで!一挙公開 石川歴史民俗資料館で40周年展 沖縄・うるま


民具、工芸品、棟方志功の水墨画まで!一挙公開 石川歴史民俗資料館で40周年展 沖縄・うるま 展示されている貴重な収集資料=15日、うるま市の石川歴史民俗資料館
この記事を書いた人 Avatar photo 金盛 文香

 【うるま】うるま市の石川歴史民俗資料館は「たくされた記憶つなげる歴史」と題する開館40周年記念展を15日から開催している。民具から県有形文化財、美術工芸品、昆虫標本など、これまでに収集した貴重な資料を一挙に公開している。他にも40年の歩みを年表や写真でたどる展示もある。

 同資料館は1982年4月、旧石川保健所(現石川消防署)で開館し、その後、石川曙の現在の場所に移転。2022年に開館40周年を迎えた。

これまでに掲げられてきた資料館の看板

 開館のきっかけは復帰後の沖縄ブームだ。民具や焼き物など文化遺産が県外へ流出することに危機感を持った旧石川市の文化財保護委員会や教育委員会が1977年10月から「民具を集める運動」を開始した。集めた資料を保管していたプレハブ倉庫が資料館の前身となる。

 40年間で開催した企画は100回を超え、累計の入館者数は約13万人。収蔵資料は8470点。これまでの寄贈者は個人537人、団体・機関は151に上る。

 40周年記念展では、世界的な版画家・棟方志功の作品も展示する。宮森米軍ジェット機墜落事故の遺族に贈られた水墨画で1998年に収蔵されて以来、2度目のお披露目となる。他にも県有形文化財(古文書)である勝連間切南風原村文書などを展示する。

石川歴史民俗資料館の歩みをたどれる年表や写真

 宮城伸一館長は「市民の皆さんが『文化遺産を未来へ』との思いで資料を寄贈してくれた」と感謝を伝えた。「これまで収蔵した資料の中から、より貴重な資料を展示している。楽しんでほしい」と来場を呼びかけた。

 同展は来年2月29日まで。午前9時~午後5時。入場無料。1月10日からは一部入れ替えて展示する。問い合わせは同館098(965)3866。

 (金盛文香)