県内有数の景勝地、比地大滝がある国頭村比地区は村の集落発祥地という説もある。稲作も比地が起源と言われており、発祥とされる4坪ほどの田の跡にはミルク田伝説も残る。
ミルク田伝説では区で一番の古老が天人(あまんちゅ)の教えに従って稲作をしたところ、おいしい米が実り、以後米を主食とするようになったとされている。一方で竹田伸之区長によると、1980年代後半に稲作からきび畑への転換が進んだことで田んぼは現在存在せず、10数人がサトウキビや花木を育てている。
区最大の行事で隔年開催の豊年踊りは旧暦8月10日に実施され、役者が区出身の男性と決まっているのが特徴だ。2019年以降は新型コロナの影響や担い手の高齢化で開催されていないが、竹田区長によると地域の高齢者からは「寂しい」との声が出ている。竹田区長は「以前と同じような形式ではできないが、実行しないと継続できない。中身をどのように現代風にするか話し合いを進めたい」と2年後の開催に意欲を燃やす。
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竹田伸之区長から一言 約15年前に閉店した旧共同店を活用し、区民が気軽に訪れてゆんたくできる環境を作りたい。
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比地区メモ 2023年10月末現在、50世帯、106人が住む。区内を蛇行して流れていた比地川は豪雨の際に度々はん濫したが、河道改修で直線化された。
(武井悠)