真壁公民館は2014年に「真壁コミュニティセンター」として改築され、三線愛好会をはじめとするサークル活動や敬老会が開催されるなど地域の憩いの場となっている。
今年新たに始まったのが、真壁の歴史や文化を次の世代に伝えるため、自治会を中心に制作する「組踊風劇」だ。真壁出身で琉球古典音楽野村流師範の伊敷光永さん(92)が選曲に携わり、照屋好範自治会長(67)が演出を手がける。照屋自治会長は自らも出演し、専門家らの協力を得て脚本も執筆した。
舞台では、自治会長が演じる「真壁アジ」の前で子どもたちが歌や踊りを披露する。市教育委員会に保管されていた明治時代の曲を地域の言葉・マカビグチ(マカビムニー)で歌い再現する。三線愛好会のメンバーが演奏を担当し、小さな子どもからお年寄りまで約40人が力を合わせて完成させた。公民館に集まっての稽古を約2カ月重ね、6月2日にセンターで行われた敬老会で初めて披露した。子どもたちも約300人の観客の前で堂々とそれぞれの役を演じて見せた。姉妹と3人で出演した眞壁政那さん(5)は「楽しかった」と笑顔を見せた。父親の政也さんは「小さな頃から地域の歴史や伝統に触れることは大切だ。いい経験になった」と話した。
照屋好範自治会長から一言 今はまだ小さな組踊“風”劇だが、いずれ本格的な大作に仕上げたい。
真壁区メモ 452世帯960人(5月末現在)。最初の公民館は1971年に落成。
(普天間伊織)
(金曜掲載)