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子と卒園者の居場所に/与那原・愛隣園70周年式典


子と卒園者の居場所に/与那原・愛隣園70周年式典 愛隣園での勤務や生活体験などを紹介する登壇者ら=11月24日、与那原町の愛隣園
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【与那原】与那原町の児童養護施設「愛隣園」の創立70周年を記念した式典と祝賀会、シンポジウムが11月24日、同園体育館で開催された=写真。シンポジウムでは「沖縄っ子の未来を考える」をテーマに、愛隣園が子どもたちや卒園者の居場所であり続けることなどを確認した。
 シンポジウムに登壇したのは、卒園者の田場力男さん、愛隣園で約20年勤務した棚原喜美枝さん、上江洲肇施設長ら7人。現在糸満市の放課後デイサービス管理者である田場さんは、職員の目が届かないところで集団リンチに遭ったことや、職員の異動で、これまでの関係性がゼロになりストレスに感じたことなど園での生活を振り返った。職員が他の子どもの対応に追われ「後回しにされる『ちょっと待っててね』という言葉が嫌いだった」と打ち明けた。
 施設を卒業した人を支援する、アフターケア相談室にじのしずく代表の棚原さんは「卒園者の意見を取り入れていけるような施設になってほしい」と話し、SNSを活用した子どもたちとの関係性構築を提案した。
 上江洲施設長は「当たり前の生活ができる体制を整え、今求められている支援を把握する。できるだけ『待っててね』と言わないよう努めていきたい」と話した。
 同園は1953年9月に県内で初めて民間の児童養護施設として開園し、これまで約1070人を養育してきた。 (上江洲仁美)