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「マエミー」20年 防災議論/宮古/台風通報、緊迫の音声も再生


「マエミー」20年 防災議論/宮古/台風通報、緊迫の音声も再生 台風14号「マエミー」を経験した登壇者の話に耳を傾ける来場者ら=11月15日、宮古島市の未来創造センター
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【宮古島】2003年に発生し、宮古島市を中心に甚大な被害をもたらした台風14号「マエミ―」の襲来から20年の節目に、パネルディスカッション「マエミーから20年 過去の災害から学ぶ」(主催・県宮古事務所、市、多良間村、宮古島海上保安部、宮古島地方気象台)が11月25日、宮古島市の未来創造センターで開催された。マエミーの被害や復旧について話し、防災について議論した。
 最大瞬間風速74.1メートルを記録した台風14号は03年9月10~12日にかけて宮古島地方を直撃し、電柱882本や風力発電などが倒壊、住宅の全壊が18件、半壊が86件の被害が出て、県のまとめでは国やNTT、沖縄電力関係を除いて被害総額は131.9億円に上った。
 当時台風14号を経験した宮古島地方気象台元次長の棚原聡さん、宮古テレビの奥濱真一郎報道部長、宮古島市消防本部次長兼消防署長の古謝博由さん、元副市長の長濱政治さんが登壇。
 奥濱さんは宮古テレビの建物内で泊まり込みで台風の対応に備えており、台風の目に入り自宅に戻った職員の報告から、甚大な被害が出ていることを知ったという。その後、全国放送のテレビ局から問い合わせが集中し、対応に追われた。
 市消防本部次長の古謝さんは、市民から実際にかかってきた119番通報の音声を流した。「ガラスが割れているがどうしたらいい」など緊迫した様子の声が会場に響き、被害の深刻さを物語った。古謝さんは「通報が多過ぎて、全てに対応できなかった」と話し、けが人発生などの事案を優先するなどしたと説明した。 (友寄開)