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革靴工房、バッグも制作 名護「カステッリーノ」


革靴工房、バッグも制作 名護「カステッリーノ」 手縫いしたバッグを手にする宮城健吾さん=4日、名護市大東の靴工房カステッリーノ
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 【名護】オーダーメードで革靴を作る専門店「靴工房カステッリーノ」(名護市大東)が10日、開業3周年を迎えた。オーナーが本場イタリア・ボローニャで20年かけて培った技術を名護の路面店から広め、革靴のリペア(修理・再生)数も数百に上る。客の要望は幅広く、3年目に入り、レザーバッグの制作も始めた。

イタリアで修業、開業3周年
 サイズが合わない革靴を自ら分解してみたことをきっかけに靴作りを志し、24歳でボローニャに渡ったオーナーの宮城健吾さん(47)=東村。「父親が重度の外反母趾(ぼし)だったので、靴に関心が向いていたのだと思う」と振り返る。
 採寸から仮靴の試し履き、受け取りまで客は3度は店を訪れる。名護に工房を開いたのはコロナ下の2020年12月10日。外出制限の合間を縫っての対応だった。県外からの顧客も多く、電話・メールと配送を利用し、来店しなくても製作できる体制も整えた。名護市ふるさと納税の返礼品にも採用された。
 革靴の技術を応用したバッグは妻の三重(みえ)さんが愛用したが、客の問い合わせが多く、商品化した。
 三重さんは「2リットル入りの牛乳を入れたりしているが、十数年たった今も壊れる気配がない」と話す。ヌメ革をロウ引きの糸で手縫いすることで頑丈になり「半永久的に長持ちする」(健吾さん)のだという。
 健吾さんは「すぐに買い替えるよりも、手入れして、永く愛用できる靴とバッグを持ってもらいたい」と話している。バッグの価格は当面の間、5万9千円(21色、制作期間3カ月)を想定している。問い合わせは同工房、電話0980(43)5556。 (増田健太)