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障がい児も楽しめるおもちゃを 東京おもちゃ美術館 国頭で贈呈式


障がい児も楽しめるおもちゃを 東京おもちゃ美術館 国頭で贈呈式 木琴をたたいて楽しむ子ども=12月7日、国頭村のやんばる森のおもちゃ美術館
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 【国頭】難病や障がいのある子どもとその家族も楽しめるおもちゃセット「あそびのむし」の贈呈式が12月7日、国頭村のやんばる森のおもちゃ美術館で行われた。贈呈はおもちゃを共同開発した東京おもちゃ美術館(多田千尋館長)と日本財団によるもので、第2弾の今回は全国150カ所の医療施設などを対象とした。県内では1施設当たり約70個のおもちゃが、4カ所の医療施設とやんばる森のおもちゃ美術館に贈られた。
 あそびのむしの開発は、大学教授や難病の子どもと家族へのヒアリングを交えて2019年に始まった。難病や障がいのある子どもたちの生活が医療的ケアや療育が中心となり、遊ぶ時間やおもちゃが不十分なこと、難病児とのコミュニケーションに悩む家族の存在などが開発の背景にある。どのようにたたいても沖縄の音楽に聞こえる木琴や、好きな持ち方で左右どちらにハンドルを回しても音が途切れないオルゴールなど、いずれのおもちゃも体を動かすことが難しい子どもでも楽しめるように、音や鮮やかな色合いといった五感に訴える点が特徴だ。
 脳性まひの症状がある長谷川才恩ちゃん(3)と贈呈式に参加した母親の千扇さん(41)=国頭村=は「おもちゃの種類でも子どもの反応が違う。おもちゃに興味がないと思っていたが、本人が興味のあるおもちゃに気づくことができた」と感動した。
 贈呈を受けた名護療育医療センターの仲本千佳子医師は「動きが不自由な子どもたちも多いが、おもちゃは五感全てを使ったもので構成されている。スタッフや利用者と一緒に楽しみたい」と感謝した。
 多田館長はおもちゃセットの贈呈の継続に意欲を示しつつ「物だけを贈ることは中途半端だ。物をどう活用するかなど人材養成も同時に行い、物と人の両輪を回せるような体制を作りたい」と意気込んだ。(武井悠)