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生き残りへの努力 当銘貞夫


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 先日、琉球新報の編集局幹部から連絡があり、海外通信員の「島人の目」の終了を告げられた。新聞業界を取り巻く環境の変化が背景にあるようで「長期にわたって連載された島人の目を終了することになった」とのことだった。おおむね各地の新聞社も同じような状況にあるのだろう。
 ロサンゼルスの日系新聞・羅府新報は2016年4月、3年で75万ドルの赤字になる見通しだった。12月にも廃刊する可能性があると社告を掲載。しかしその後、経費などの削減を図り、内容の刷新と充実に専念した。23年の現在もウエブ版を含め経営を続けることができるようになった。ウェブ大手から金銭の支援などもあったようだ。
 羅府新報の編集部長からは次のようなメッセージが寄せられた。「大手ウェブサイト・フェイスブックや非営利団体や公的機関からグラント(補助)をいただいたが、経営を改善できるほどの額とは言えない。収入源の購読者、広告主共に目標に達していない。経営が上向きと言えるほど状態は良くなってはいない」。サバイバル(生き残り)への努力は、これからも続いていくだろう。
 (ロサンゼルス通信員)