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中村夫妻しのび俳句教室 名護・安和小 全校児童、季語探す


中村夫妻しのび俳句教室 名護・安和小 全校児童、季語探す 「中村秀雄・阪子二人句碑」に花を手向け、俳句の講師らと記念撮影をする安和小6年生の児童ら=22日、名護市の同校
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【名護】名護市の安和小学校(岸本五穂子校長)で22日、全校児童を対象とした俳句づくり教室が開かれた。講師は、県内の俳句界の発展に寄与した、故・中村阪子さんの教え子らで、14年間にわたって同校で俳句教室を開いてきた。中村さんの7年忌に当たるこの日で、全校児童を対象とした教室は一区切り。児童らは自然豊かな同校の校庭に出て季節の花々などから季語を探し、生き生きとした感性で句を詠んでいた。
 中村さんは、小学校教諭を退職後に俳句を始め、琉球俳壇賞、遠藤石村賞を受賞。人材育成にも情熱を注ぎ、新報カルチャーセンターの俳句講師を十数年務めた。同校の教員を務めたこともあり、同じく元教員で夫の秀雄さん(故人)と詠んだ句を記す「中村秀雄・阪子二人句碑」が校庭に建立されている。
 児童らは講師と一緒に、校庭を回り、指で文字数を数えながら、桜やガジュマル、肌寒い風などを季語として、俳句にしたためた。低学年は紙風船や福笑いなどを楽しみ、思い思いの句を詠んでいた。句碑の前では、6年生の児童が花を供え、黙とうをささげていた。岸本校長によると、全校児童対象の俳句教室は最後となるが、今後も授業に講師を招くなどして、俳句に親しむ機会をつくっていくという。
 県俳句協会副会長で、俳句教室を続けてきた上運天洋子さんは「子どもたちの自然を大事にする気持ちが、俳句の良い材料になっている。俳句を通して地域を見直し、素晴らしいと感じてもらえる機会となっている」と話した。
 この日の教室で、6年の比嘉愁香さん(12)は「さくらさく あわのきねんひ おもいつぐ」と詠んだ。「1年生の時は分からなかったが、(講師の)先生と一緒に回り、6年間勉強できて楽しかった。俳句の大切さを知ったので、続けていきたい」と話した。 (池田哲平)