【宜野座】宜野座村の9人の人物を通して伝統芸能の継承を描いたドキュメンタリー映画「ウムイ 芸能の村」が12日、村文化センターがらまんホールで上映される。映画と舞台演舞を組み合わせた新たな試みで、出演者が実際に舞台に登場して琉球舞踊や獅子舞を披露する。欧州での映画祭を経て撮影地に戻ったダニエル・ロペス監督に意気込みを聞いた。 (聞き手 増田健太)
-今回の企画に至った経緯は
「新型コロナ禍で舞台ができなくなった時期、がらまんホールの小越友也プロデューサーから『宜野座の伝統芸能を撮ってみたら』と提案され、何人かに話を聞くととても面白く、映画化に至った。毎朝三線を弾く人もいるし、お祝い事でかぎやで風を踊る。沖縄では伝統芸能が生活の一部になっている」
「獅子舞を撮影すると、演者は泡盛をささげ、手を合わせて拝んでから獅子の中に入った。獅子は単なる物であるはずなのに、演者は獅子に動かされる感覚になるという。私には獅子が守り神のように見えた」
-「ウムイ」は欧州各地の映画祭で上映された
「昨年6月、ドイツで獅子舞を披露したいと考え、映画上映の翌日に1時間の枠が用意された。琉球舞踊を合わせて演じると、とても好評だった。今回は映画と舞台をブレンドし、他にはないものになる。これをさらにヨーロッパに伝えていきたい」
-宜野座村民や沖縄の人々に伝えたいことは
「伝統芸能の継承が宜野座で心配されることはない。祭りや行事もあり、子どもたちが家族と一緒に文化を感じているからだ。県外に出ても、誇りとともに沖縄のアイデンティティーとして持ち続けることができ、帰ってきた時に継承に携わることもできる。伝統と創作というテーマもある。まずは見てもらい、何かを感じてほしい」
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ダニエル・ロペスさんは1970年、スイス生まれ。映画監督。2003年に沖縄に移り住み、県立芸術大学大学院で学んだ。「映画ウムイ×舞台演舞」(主催・宜野座村文化のまちづくり事業実行委)は12日午後2時、がらまんホール、一般2500円、学生1500円(当日各500円増)。