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50年前の収録民話上映 国頭で初の県博移動展


50年前の収録民話上映 国頭で初の県博移動展 展示品を鑑賞する来場者ら=1月26日、国頭村民ふれあいセンター
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 【国頭】県立博物館・美術館の「第14回移動展in国頭村」が1月26日~28日の3日間、国頭村民ふれあいセンターで開催された。移動展は、博物館・美術館へのアクセスが容易でない離島や遠隔地の県民に向けた企画。40年以上続く中で、国頭村では初めての開催となり、多くの村民が会場に足を運び貴重な資料を目にし、沖縄の自然・歴史・文化を知る絶好の機会となった=写真。
 国頭村の村鳥ヤンバルクイナをはじめ、沖縄固有の生物の標本、港川人復元模型、万国津梁の鐘(旧首里城正殿鐘、複製)、恐竜骨格模型、芭蕉布、沖縄のおもちゃ、国頭村の地層が分かる岩石、絵画などが展示された。1987年に国頭村立総合体育館で行われた重量挙げ種目の映像も流され、来場者らは食い入るように見て、映像に映る村民を懐かしみながら鑑賞していた。
 うちなーの民話上映会では、73年から沖縄各地で収録された伝承話のカセットテープを基に作成された民話が上映された。約50年前の地域の人々の声で、国頭村奥間区の「はえと雀~はえが手をするわけ」「赤糸伝説」、与那区の「猿長者」、浜区の「灰坊」「貧乏神と福の神」などの民話が語られた。会場で曽祖母の声を聞いた知花ルカさん(50)=与那区=は「50年前の声をこの会場で聞けて感動した。このような機会を与えていただいた主催者に感謝したい」と感想を話した。
 (新城高仁通信員)