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沖縄・日本と交流促進 移住地、派遣教師が抱負


沖縄・日本と交流促進 移住地、派遣教師が抱負 オキナワ第一日ボ学校に派遣されている稲嶺萌恵教諭(左)と家弓俊輝教諭
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 ボリビアのオキナワ移住地のオキナワ第一日ボ学校に、国際協力機構(JICA)の海外協力隊員として派遣されている2人の教師が1年を振り返り、今後の活動に向けた抱負を語った。
 沖縄市出身で沖縄市立高原小学校所属の稲嶺萌恵教諭(38)は2022年8月から派遣されている。昨年は小学3年から6年生までの日本語初級クラスの授業を担当した。会話や読み書きに必要な単語・表現を繰り返し練習、児童同士の会話の機会を増やすことに力を入れたという。「担当学級の児童が、習った日本語を使って会話していた時にはうれしくなった」と振り返る。
 課題は「児童生徒に日本語や日本(沖縄)文化への興味を持ってもらうこと」と説明する。任期は3月中旬まで。「帰国後は沖縄の児童へボリビアでの自身の経験を伝えたい」と決意する。
 「近年、日系人の生徒の割合が低くなってきており、学校としての在り方が変わりつつある」と話すのは、福岡県出身の家弓俊輝教諭(30)。昨年6月から派遣されている。日本語の授業を中心に、小中高校でサッカー部に所属していた経験を生かして、全児童生徒の体育指導を受け持った。「職員間で指導のばらつきがあるため、改めて学校の目標やルールを再編し、スペイン語部の職員も含めて共有できるようサポートしたい」と考える。
 来年5月に帰国するため「今年1年間は勝負の1年になる」と力を込める。中南米の日系コミュニティーの日本語学校や日本の学校と連携して、オンラインで生徒同士が日本語で交流する機会をつくることも考えている。生徒が卒業後の進路を具体的に考えられるように、ボリビア国内の隊員を講師として招き、ボリビアでの活動や日本にいた時の前職について、ワークショップ形式で話してもらうイベントも企画したいと目標を掲げた。 (安里三奈美通信員)