有料

向氏玉川門中系図を改訂 36年ぶり 21世まで 46家、約7000人記載、女性も


向氏玉川門中系図を改訂 36年ぶり 21世まで 46家、約7000人記載、女性も 2021年に発刊した改訂版の系図を持つ儀間朝昭会長(右)と、1985年発刊の系図を持つ大湾知子さん=15日、南城市知念知名
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 第2尚氏尚清王の八男・読(ゆん)谷(たん)山(ざ)王(おう)子(じ)朝(ちょう)苗(びょう)(1548年没)の子孫で結成する向氏玉川門中会(儀間朝昭会長)がこのほど、改訂版の系図を36年ぶりに発刊した。1985年に発刊した系図に修正点を加え、発刊後に生まれた子どもたちを追加した。1世から21世の約7千人の名前を記載している。
 2021年に改訂版の「元祖第二尚氏尚清王之第八男読谷山王子朝苗 改訂 玉川門中系図」を発刊したが、コロナ禍で門中の定期総会を開けなかった。先月1月28日にようやく那覇市内で開催し、54人が出席。発刊の祝賀会もあった。
 12年に源河朝徳さん(81)を委員長とした「系図改訂編集委員会」を立ち上げ、20年までほぼ毎月委員会を開催した。文献や門中の位牌(いはい)を調査し、名前や没年などを確認した。門中を5系統に分類し、46家ほどの分家があることが分かった。
 門中会の会員数は203世帯。会員はハワイやペルーなどの海外にもいるため、改訂版では名前にローマ字表記もつけた。これまで門中は男性に限っていたが、少子化を考慮し、1879年以降に生まれた人は女性も系図に盛り込んだ。エクセルで作った系図のデータを印刷し並べると、30メートル以上になったという。今後、リモートで系図を追加、編集できる仕組みづくりを検討している。
 編集委員の大湾知子さん(64)=那覇市=は「系図で先人が紡いできた誇りを感じられる」と話し「来年は定期総会が第50回目を迎えるので、ぜひ多くの人に参加してほしい」と意気込んだ。
 儀間会長(75)=南城市=は「先輩方が初版を作り、今回約10年間の調査の区切りとして、新しく改訂版を出せてほっとした」と頰を緩ませた。「名前が分からないところもある。文献は本土や中国、台湾にも残っているかもしれないので、今後たどっていきたい。琉球の歴史に関心がある人が系図編集の跡を継いでほしい」と語った。 (上江洲仁美)