【那覇】フクギ愛好者らでつくる「福木ひろめる会」(照屋寛孝会長)がこのほど、会結成から10年間の活動をまとめた記念誌「緑の至宝フクギ~普及活動10年誌」を発刊した。本部町備瀬のフクギ並木や渡名喜島、多良間島の屋敷林など県内有数のフクギの名所が写真に収められている。食べ物としてのフクギの調理方法や研究論文など、知っているようで知らないフクギの魅力がつまっている。
風に強い特性を持つフクギは沖縄では古くから防風林や防潮林として屋敷や村の周りに植えられ、沖縄の原風景ともいえる集落景観を形づくってきた。紅型の染料や建築資材にも用いられており、今では沖縄を代表する観光資源に数えられている。
2014年2月には県全島緑化県民運動推進会議が2月9日を「フクギの日」に制定した。那覇市や本部町など県内8市町村が市町村木にフクギを指定している。記念誌には、8市町村がフクギを市町村木に指定した理由や首長のフクギへの思いなどがつづられている。
福木ひろめる会は「フクギの日」制定の14年に発足した。以来、フクギの普及啓発、植樹活動に取り組んできた。記念誌の発刊について照屋会長は「2月9日がフクギの日であることを知っている人は少ない。記念誌がフクギについて理解を深める一助になればうれしく思う」と語った。
記念誌は、ひろめる会の活動協力金として1500円を支払うと受け取れる。問い合わせは照屋会長、(電話)090(9591)0282。 (吉田健一)
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フクギの魅力一冊に ひろめる会が記念誌 名所紹介や論文、調理法も
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琉球新報朝刊