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4兄弟で受け継ぐ2つのランドセル 「卒業」迎える 母や祖母が修繕重ね12年 宮城さん兄弟 沖縄


4兄弟で受け継ぐ2つのランドセル 「卒業」迎える 母や祖母が修繕重ね12年 宮城さん兄弟 沖縄 次兄から受け継いだランドセルを持ち笑顔を見せる宮城遥希さん(左)と、長兄から受け継いだ弟の粋叶さん=16日、那覇市安謝
この記事を書いた人 Avatar photo 吉田 健一

【那覇】12年間お世話になりました―。那覇市立安謝小学校の宮城遥希(はるき)さん(12)が、兄の心輝(しんき)さん(18)から受け継いだランドセルを使い続け、22日に小学校を卒業する。目標だった皆出席も達成した遙希さん。「小学校に入学した時からお兄ちゃんから受け継いだランドセルを最後まで使い続けたいと思っていた。それがかなってうれしい」と語り、少しくたびれたランドセルに感謝の思いを込めた。

 遙希さんは4人兄弟の三男で、6年前にちょうど安謝小を卒業した次男の心輝さんからランドセルを受け継いだ。末っ子で現在安謝小5年の粋叶(すいと)さん(10)も遥希さんと同様に兄の青空(そら)さん(19)=長男=から受け継いだランドセルを使っている。
 二つのランドセルは遙希さんらの祖父母に買ってもらった。これまで何度か糸がほつれたり、布が破れたりしたが、そのたびに母親の優奈さん(45)が補修した。優奈さんは「私でも無理な時は祖母に修繕をお願いしていた」と振り返る。

 遥希さんは県内屈指の卓球選手で、得意技はフォアドライブ。今月3日に行われた第43回県小学生大会では高学年の部個人で優勝した。現在、エナジック卓球アカデミーに通っており、小学校時代は小学生が対象の全国大会全てに出場し、優秀な成績を残した。
 学校生活では児童会の運営委員を務め、児童がちょっとした得意技などを披露し合う「自慢大会」を企画したり、能登半島地震への寄付を呼びかけたりした。

 4月から安岡中学校に進学する。遥希さんは中学でも卓球を続ける予定だが、将来の夢は医師になること。「小5の時にけがをした時に治療したくれた医師との出会いで、スポーツでけがをした人がまた活躍できるよう手助けしたいと思った」と語る。

 12年の思い出がつまったランドセルを前に「コロナの影響で大変な時期もあったが、楽しいことも多くあり、あっと言う間の6年間だった。中学校では席次1番を目指す」と意欲を見せる。 (吉田健一)