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「ちょっと怖かったおばあちゃん」がくれたワンピ、40年後、ひ孫の入学式でも活躍 3姉妹が着用 沖縄・金武の伊藝さん


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 【金武】40年近く前に祖母から贈られたワンピースは、色あせることなく、3姉妹の子どもたちに引き継がれ、思い出とともに家族の宝物となっている。金武町の伊藝麻理枝さんが幼い頃に祖母からプレゼントされたワンピースを、10日に嘉芸小学校で開かれた入学式で、三女の寧麻(ねいま)さん(6)が身に着けて出席した。長女の結麻(ゆいま)さん(13)、次女の愛麻(あいま)さん(11)もサイズを直すことなく小学校の入学式で着用したという。伊藝さんは「子どもたちへと受け継いでいきたい」と願いを込め、これからも大切に残していく考えだ。  

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ワンピースは伊藝さんが祖母の又吉ウミトさんからプレゼントされたもので、赤と白の細かいチェック模様、白いリボンが付いていた。両親は共働きで、ウミトさんが子守を担い育ててくれた。寡黙で、いつも畑仕事ばかりしていた祖母を「ちょっぴり怖かった」という。そんな祖母からのプレゼントは、何よりもうれしかった。

ウミトさんは伊藝さんが小学校入学前の1983年に、67歳で亡くなった。小学校5年生の時に、祖母に向けた手紙の中で買ってくれたワンピースへの思いをしたためた。「おばあちゃんからもらったワンピースを大事にしているよ。大人になっても、もっていたいよ」

祖母から贈られたワンピースを娘たちへと受け継いだ伊藝麻理枝さん=13日、金武町

 高校卒業後に沖縄市の実家を出て生活していたため、時がたつにつれて、いつしかワンピースの存在を忘れていた。10年ほど前、実家の建て替えで荷物を整理していたら、ワンピースと自分が書いた手紙が出てきたという。伊藝さんは「残っていたんだ、とうれしかった」と当時を振り返る。

 時を経て白いリボンがなくなり、新しい赤のリボンを付け直したが、日焼けや色落ちなどの劣化はなく、小学生の頃に書いた手紙の通り、自身の子どもたちへと受け継ぐことができた。伊藝さんは「娘たちはまだ、ぴんときていない感じだが、将来、女の子が生まれたら着せてほしい」と願いを語った。
 (池田哲平)

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