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ヤシガニ保全へ調査を 多良間村 藤田教授が報告


ヤシガニ保全へ調査を 多良間村 藤田教授が報告 多良間村ヤシガニ報告会でヤシガニの生態などについて学ぶ出席者ら=6日、村コミュニティー施設
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【多良間】県立芸術大学の藤田喜久教授は3月6日、多良間村コミュニティー施設で開かれた「村ヤシガニ報告会」(村観光振興課主催)に講師として参加した=写真。絶滅危惧種に指定されているヤシガニの個体数を把握した上で、条例などで大型個体の採取を禁止するなどし、保全活動につなげることが、結果として自然環境を守ることにつながると伝えた。
 藤田教授は、ヤシガニは非常に成長や成熟が遅く、一度乱獲が進むと一気に個体数が減ると説明。大きな個体ほど高値が付くことから、乱獲で大きな個体が少なくなっていると語った。
 ヤシガニの生態については、子どもは海辺に住み、大きくなるにつれて陸上に生活の拠点を移すとして「多良間村の条例で保護区の設定や捕獲制限をする必要がある」と訴えた。メスは自分よりも大きいオスを選ぶことから、交接の期間に合わせて、採取禁止期間を拡大することも有効な手段の一つだとした。
 今後の課題については、島内陸部の個体を調査することや、小さい個体や大きい個体の生息場所を把握することなどを挙げた。 (清村めぐみ通信員)