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琉球諸語、継承へ決意 半嶺さん、北米県人会訪問


琉球諸語、継承へ決意 半嶺さん、北米県人会訪問 今後の琉球語の行方について討議する、北米沖縄県人会長のビッキー大城さん(右)と半嶺まどかさん=3月11日北米沖縄県人会会議室
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 名桜大学准教授の半嶺まどかさん=写真左=が3月12日、北米沖縄県人会を訪れて関係者と面会した。名桜大学沖縄ディアスポラ研究センターの研究員としての調査や資料収集が目的で、応用言語学を研究するテキサス州での学会参加も兼ねていた。半嶺さんと懇談したのは、今年初めに選出された北米沖縄県人会のビッキー・大城会長=同右。県人会の若者たちのグループも訪問し、20代~30代のメンバーとも面会した。
 半嶺さんは2020年、30歳の時にフィンランドのラップランド大学で博士号を取得した。半嶺さんのルーツは八重山で、琉球の言葉の多様性を家族内で経験し、味わって育ってきた。「沖縄では琉球諸語を理解できるが、しゃべれないという人々も多い」と説明した。
 自らのルーツを求め、琉球の言語文化に興味を示している若い世代もいるという。半嶺さんの研究室のザッカリー・エドワーズさんは、その一人だ。カリフォルニア州サンディエゴ大出身の県系4世で、曽祖父と祖父母が与那原町からハワイへ移住した。エドワーズさんは「沖縄に来てショックだったことの一つに、地元の若者がウチナーグチにほとんど興味を示さないことだ」と話していたという。
 半嶺さんは言葉の継承に「若者の興味を引く試みが鍵で、その方面への努力を続けていきたい」と語った。
(当銘貞夫ロサンゼルス通信員)