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18歳卒園者6人を壮行 沖縄市・美さと児童園 経済支援呼びかけも


18歳卒園者6人を壮行 沖縄市・美さと児童園 経済支援呼びかけも 退園者に自立支援金目録も贈られた美さと児童園の壮行会=3月16日、同園体育館
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 【沖縄】沖縄市にある社会福祉法人・国際福祉会が運営する、さまざまな事情のある家庭から子どもたちを受け入れている児童養護施設、美さと児童園(稲嶺勇理事長)は、18歳の退園時に入所者を支援する組織を立ち上げ、経済的な課題解決に力を入れている。
 定員50人の同園には3月時点で、2歳児から18歳まで44人が在園。卒園後は大学、専門学校への進学する者、就職する者と分かれるが、大部分は一人暮らしになることから経済的に大きな課題に直面する。
 進学する者には給付型の奨学金や県社協などの家賃貸付制度もあるが、アパートの契約時などで多額の自己負担が伴う。就職する場合も家賃等の初期費用が15万円前後は必要という。美さと児童園自立支援会(与那嶺奈美子会長)がこれら諸課題の解決に取り組んでいる。
 近年、社会の理解が進み企業、団体、個人からの寄付は増えているが、「就職の場合は自動車免許の取得が欠かせない。一部、市などからの補助もあるが多額の費用がかかる」と前川英伸園長。支援することで「退園生から感謝の手紙が届くことが何よりもうれしい。社会のより一層の支援の輪を広げたい」と入会を呼びかけた。
 3月16日には支援者も多数参列し、壮行会が開かれた。本年度の退園者は6人。稲嶺理事長が式辞を述べ「園では家族のように生活し、くじけず自立する精神を身に付けた。皆さんは国の宝。新しい出会いが必ずある。退園後も弟や妹に会いに来てください」とエールを送った。
 入会など支援会についての問い合わせは同園へ。電話098(938)9138。 (岸本健通信員)