【宜野湾】宜野湾市はこのほど、西普天間住宅地区内で建設を進めていた「安仁屋(アンナ)橋」の完成披露式典を開いた。市役所、市議会、沖縄防衛局、総合事務局などから関係者約90人が参加した。
橋は全長90メートルで片側1車線。歩道も整備された。西普天間住宅地区内で整備が進む西普天間線上にある「イシジャー」と呼ばれる谷を保全するために設置された。イシジャーは鍾乳洞の天井が崩落することで形成される地形。雨が降ると、川が流れ、多様な生物が集まる。
イシジャーには琉球王朝時代に造られたとみられる墓などが今も残り、文化財としても重要とされている。橋の建設に際しても支柱を立てずに、空中で組み立てる「ケーブルエレクション・PCT工法」を用いた。工期は約3年で、総工費は約27億円。国が9割を補助した。
名称は市民に公募し、116件から安仁屋郷友会の仲村博さんの案が選ばれた。橋の設置場所が戦後米軍に接収された集落、安仁屋(アンナ)と呼ばれていたことや、地域に親しみを感じられることが採用理由。四つある親橋の銘板は同市の和田のぞみさんが揮毫(きごう)した。式典では両者に感謝状と記念品が贈られた。
式典で松川正則市長は「多くの皆さまが愛してくださる場所となるだろう」とあいさつ。西普天間線の沿線で建設が進む琉球大学病院と同大医学部にも触れ「市民、県民の健康管理に取り組める。(区画整理など)完成に向けて頑張ろう」と呼びかけた。 (名嘉一心)
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安仁屋(アンナ)橋が完成 宜野湾・西普天間地区 文化財「イシジャー」を保護
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琉球新報朝刊
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