【石垣】石垣市の大本小学校体育館で15日、金原亭世之介一門の「落語教室」があった。県出身落語家・金原亭杏寿さんらが軽妙な語り口で会場を沸かせた。大本、川原、川平、富野、吉原の各小学校から計48人の児童が参加し、天井を見上げたり腹を抱えたり体をよじらせたりして、生の落語に爆笑した。
竹富町小浜島のリゾートホテル「はいむるぶし」の社長兼総支配人の渥美真次さんが世之介さんの関係者と知り合いだった縁で、今回の落語教室が実現した。
金原亭駒平さんの「牛ほめ」で幕開けした後、水色の紋付き羽織を着た杏寿さんが舞台上に設置された高座に上がった。わがままを言って父親を困らせる子どもが初詣に行く、笑いどころ満載の「初天神」を披露した。食べかけの団子を蜜つぼに入れる場面で、児童らは大笑いした。トリを務めた世之介さんは「平林」を披露し、貫禄のある芸で観客をうならせ、笑いを誘った。
質疑応答で「落語をやっていて自分で笑いそうにならないのか」という質問に、杏寿さんは「たまに笑う」と答え、世之介さんは「悲しい話や人情話では自分で涙が出ることがある」と答えた。
終始ゲラゲラ笑っていた川原小3年の児童(8)は「初めての落語は楽しかった。杏寿さんの団子の汁を飲む動作がすごかった」と満喫した様子。大本小6年の児童(11)は「落語家は一人で何役も演じていてすごい。世之介師匠が一番面白かった。また落語を聞きたい」と再公演を期待した。 (照屋大哲)