【浦添】浦添市在住の儀保徳音(のと)さん(10)=琉大付属小5年=が、3月に福岡県で開催された小学生ドラマー対象の「コドモドラムコンテスト2023」九州沖縄地区本選大会(島村楽器主催)で、準グランプリに輝いた。同コンテストには、動画予選に60組、本選に23組が出場した。儀保さんは「うれしかった気持ちと、悔しい気持ちの両方を感じた。いつか音楽雑誌の表紙を飾りたい。夢はドラムの神さま」と、笑顔をはじけさせる。
8歳上の兄がバンドを組みギターを演奏する姿を見て、音楽の世界にあこがれた。ドラムをやりたいと両親に相談し、小3の夏から那覇市松山の「ドラムスクールリズムボックス」に通い始めた。同スクールで指導する弓座志簡(ともひろ)さんは「自分から進んでドラムを触る。地頭が良く、難しい要求も理解し、どんどんうまくなっている」と成長の早さに舌を巻く。
儀保さんは教室に通い始めて約10カ月後に「第2回コドモドラムコンテスト」に挑戦したが、周囲に圧倒されて結果を出せなかった。「優勝したい」と、弓座さんに悔しい気持ちをぶつけ、第2回の優勝者が演奏していた曲で、次の大会に挑戦することを決めた。
弓座さんは「儀保さんの気持ちに乗せられた。勝つために必要なことを教え、普通の子であればドラムを辞めるかもという高いレベルを求めた」と振り返る。儀保さんは期待に応えようと、父の助力を得て、自宅でも猛練習を重ねた。
迎えた本番、「盛り上がっていきましょう」と観客に呼び掛け、曲の合間にはスティックを打ち鳴らし、自ら会場を盛り上げた。ドラム歴の短さを思わせないエンターテインメント性にあふれた演奏で、準グランプリに選ばれた。
大名児童館の軽音クラブにも所属し、全員小学生のバンド「イカ墨Rock」の一員としても活動する。「まずはルーディメンツ(ドラムの奏法)を極めたい。小学生の間に音楽フェスにも出てみたい」と、夢を膨らませた。
コンテストの様子は儀保さんのインスタグラム(@noto_drums)で見ることができる。
(藤村謙吾)