有料

認知症の疑問 公民館で学ぶ 北中城村 症状は? 予防は? 専門家に次々質問


認知症の疑問 公民館で学ぶ 北中城村 症状は? 予防は? 専門家に次々質問 「認知症ザ・談会」で田頭政三郎医師(奥右)らと語り合う住民=15日、北中城村の瑞慶覧公民館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【北中城】認知症は特別な病気ではないと周囲が理解し、かかった人が地域で見守られ幸せに暮らせるようにと、北中城村地域包括支援センターが村内で開く「認知症ザ・談会」が始まっている。15日は同村の瑞慶覧公民館で行われた。特定医療法人アガペ会、北中城若松病院の田頭政三郎医師、精神保健福祉士の冨永実研さんを招き、住民らの疑問に答えた。田頭医師は、認知症予防で大事なのは生活習慣の改善や適度な運動と相まって、「夢を持って生きること」「誰かと一緒にいておしゃべりすること」と語りかけた。
 村内14の自治会を巡る事業で3月の安谷屋区に続き瑞慶覧区は2カ所目。喜納綾子自治会長や住民ら10人ほどが参加した。
 田頭医師によると、認知症とは1人で生活が立ちゆかなくなるもの忘れを意味し、特徴として「体験したことを忘れる」「忘れていることも忘れる」点を挙げた。それらを理解できれば「周囲も怒らずに、嫌な思いもしなくて済む」と述べた。
 認知症はアルツハイマー型が7割という。住民からの「脳の検査で異常がなければ認知症ではないのか」との問いに対し、田頭医師は「その時に異常がないから認知症ではないとも言えない」と説明。その上で脳トレや散歩、買い物などといった予防策を挙げ「人生に夢を感じることが大事。人間は不思議。そして人と一緒にいる、人としゃべることはとても大切」とした。
 ほかに脳血管性などの認知症もある。脳血管性は高血圧やコレステロールの値に注意し、禁煙などで「予防はできる」として生活の改善を提案した。
 住民からは「心臓の具合の悪い夫が、なかなか外出しないがどうしたらいいか」「水道の閉め忘れを何度も見に行くのは何の症状か」「食生活が悪いと認知症は進むのか」など、具体的な質問も相次いだ。
 高齢化が進む瑞慶覧区で「高齢者には住み慣れた地域で過ごしてもらいたい」と常々感じているという喜納自治会長。「子や孫の世代にも、高齢者が直面する心配事を知ってもらいたい。そういった次の世代も対象にした集まりも必要だろうし、10年先を考えた地域づくりをしないといけない」と話した。
 5月10日大城、6月26日仲順、7月30日和仁屋の公民館で午後2時開始予定。他でも順次実施する。対象は村内在住者。問い合わせは村包括支援センター、電話098(935)5922。(石井恭子)