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波除堤 約35メートル沖合に 塩屋漁港拡張 古宇利見通す


波除堤 約35メートル沖合に 塩屋漁港拡張 古宇利見通す 村の説明を聞く住民や漁業者ら=3月21日、大宜味村の塩屋公民館
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 【大宜味】大宜味村は3月21日、塩屋漁港の拡張を巡る3回目の住民説明会を塩屋公民館で開いた。前回説明会で参加者から、兼久浜から古宇利島の見通しについて懸念の声が出た波除堤の整備を巡り、村は長さを前回の変更案で示した100メートルから50メートルに短縮し、沖合に約35メートル移設する修正案を示した。
 兼久浜は国指定重要無形民俗文化財の塩屋湾のウンガミ(海神祭)でニレー(西の海)に向かって祈願する場所となっている。波除堤は現行の防波堤から延長整備する計画だった。村によると2月末と3月の2回、神事を担当するカミンチュ(神人)らと浜で祈願方向を現地確認し、防波堤と波除堤の間隔を開けることで見通しを確保した。波除堤は今回示された修正案でも漁港内の波を穏やかにする目的を果たすという。
 説明会では拡張工事に理解を求める漁業者の意見や、拡張後の漁港内に飲食店などを誘致する提案などが出た。一方、事業費を巡る村民の税負担に疑問の声も上がった。
 村はこのほか、前回説明会で住民から意見が出た塩屋橋下の海岸浸食を巡り、本年度の緊急自然災害防止対策事業で護岸を整備することを明らかにした。事業費は4200万円で、地方債を活用する。 (武井悠)