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カフェ食堂 広がる笑顔 与那城「さく山」 B型事業所、チャレンジ6年目


カフェ食堂 広がる笑顔 与那城「さく山」 B型事業所、チャレンジ6年目 「もっともっと繁盛させたい」と意気込むB型事業所カフェ食堂「さく山」のスタッフ=1日、うるま市与那城
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 【うるま】就労支援B型事業所が経営するうるま市与那城のカフェ食堂「さく山」(佐久田啓子代表)が、2019年のオープンから今年で6年目を迎えた。B型事業所の食堂は例が少なく、周囲は心配したが、福祉関係者、地域の支援で“憩い触れ合いの場”としても大きく輪を広げ話題になっている。
 事業所を統括運営するのは合同会社さくやま。管理責任者の佐久田盛徳さん(82)は、「障害者」という言葉には差別や偏見があると考え、米国で提唱された「チャレンジド」を行動指針として自立と社会参加を図ることを理念に掲げている。
 就労者は約30人。八つの作業班を編成し、そのうちカフェ食堂班は約10人。栄養士職員の指導の下、午前4時過ぎから仕込み作業に入る。定休の水、日曜日を除いて食堂メニューを準備、さらに市内福祉作業施設や企業への150人から200人分のデリバリー、店頭販売の弁当などを作っている。
 カフェ代表の啓子さん(80)は佐久田さんの妻。夫婦は「就労者の工賃を手厚くすることが第一」と信念を強調する。就労者で食堂班主任の生居(なまい)綾子さん(67)は「みんなと一緒に作業するので毎日が楽しい」と笑顔を見せた。
 食材も地元産にこだわる。地域に支えられている恩返しだ。食堂をよく利用しているという花城精蔵さん(82)は「ボリュームがあり、とてもおいしい。接客も優しい」と応援する。
 オープン直後にコロナ禍に直面。情熱に燃える夫妻は「危機を全員で乗り切った。ひとりひとり成長しているのを感じる。何よりも地域や福祉関係者の応援に感謝している」と、さらに諸事業の強化を見据えている。
 営業時間は午前10時から午後5時。問い合わせは、電話090(7383)1156。 (岸本健通信員)