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教育の歴史たどる冊子完成 宜野湾 市史別冊完成報告会 王朝時代から現代まで網羅


教育の歴史たどる冊子完成 宜野湾 市史別冊完成報告会 王朝時代から現代まで網羅 宜野湾市史別冊「ぎのわん 教育のあゆみ」を仲村宗男教育長(右から4人目)に寄贈する崎浜靖市史編集委員長(同3人目)、藤波潔教育編専門委員長(同2人目)、平敷兼哉市立博物館長(右)ら=4月26日、宜野湾市教育委員会
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 【宜野湾】宜野湾の教育の歴史を琉球王朝時代から戦前戦後、現代までたどる、宜野湾市史別冊「ぎのわん 教育のあゆみ」完成報告会が4月26日、同市教育委員会で開かれた。教育編の専門委員会の藤波潔委員長=沖縄国際大教授=によると、市町村史の教育編としては与那原町に次いで2例目となる。
 中頭地区で最初となる中頭小が1881年に普天満山神宮寺の一角に置かれ、本格的に学校教育が始まった宜野湾の教育史を総覧する。同日、崎浜靖・市史編集委員会委員長から仲村宗男市教育長に冊子が手渡され、完成が報告された。市立博物館の平敷兼哉館長が経過を説明した。
 専門委の藤波委員長によると、かなり保存されていたという市の戦後の公文書を取り入れている。宜野湾の特徴として学校が多く沖国大など高等教育機関までそろっていることも挙げた。歴代の学校の写真資料などもできるだけ掲載したという。藤波委員長は「地域の教育史に特化した、県内自治体史の中でも先駆的な取り組みだ」とした。
 2021年から始まった編集事業に当初携わっていたという仲村教育長は「編さんの動きを温かく見ていた。歴史をつなげ、この先へ進んでいく願いをこめてもらった」と感謝した。
 市内に20ある公私の学校も紹介されている。座談会も収められ、元校長の嘉手苅喜郎さん、宮城義昇さん、上原助勝さん、宮城茂雄さんが復帰前から2000年代までの地域の教育の歴史を語った。
 A4版オールカラーで110ページ、1500円。発行500部のうち200部は市内の学校などに寄贈される。残り300部は販売する。 (石井恭子)