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雑草刈り、道踏みしめ 西原の名峰「運玉森」の登山道づくり 「パトラン西原」会員ら 沖縄


雑草刈り、道踏みしめ 西原の名峰「運玉森」の登山道づくり 「パトラン西原」会員ら 沖縄 運玉森登山開始前に、登山道入り口でパトラン西原のポーズを取る参加者=4日、西原町
この記事を書いた人 Avatar photo 藤村 謙吾

 【西原】西原町を中心に、防犯パトロールとランニングを兼ねたパトラン(パトロール・ランニング)活動をしている、パトラン西原(佐藤礼子(あやこ)代表)が4日、登山道作りを目的にした運玉森歩きを行った。会員ら5人が参加し、西原の名峰が訪れやすい場所になることを願って、雑草を刈り、道を踏みしめて、頂上を目指した。

 運玉森は標高158.1メートル、西原と与那原の境界に位置する山で「西原富士」などと呼ばれ、地域の小学生が登山に訪れるなど町民に親しまれている。3月には、与那原側から山頂へ至る遊歩道と、山頂に展望台が整備された。一方で、西原側からの登山道は今も自然のままで、草木が生い茂る。

 パトラン西原は、西原町役場から徒歩で約20分の場所にある我謝の登山口から登り始めた。鎌を手に草を刈り、クモの巣をかき分け先頭を歩く伊集悟さん(54)=西原町=と、宮城智章(ともたか)さん(54)=那覇市=は小学校時代からの幼なじみ。子どもの頃は大丈夫だった毛虫が今は苦手になったことなど、思い出話に花を咲かせながら、木々の間からのぞく五月晴れの空を見上げては「気持ちいいな」と目を細めた。

 宮城さんの息子の晴規(はるのり)さん(14)=寄宮中3年=と、西原について知識を深めたいと活動に参加する玉那覇麻侑(まう)さん(18)も2日前に降った雨でぬかるむ山道に足を取られながらも、目を輝かせながら歩を進めた。急傾斜が続き危険なため、2月にパトラン西原でロープを張ったという運玉森一番の難所では、佐藤代表をはじめ、メンバーが次々と滑って転び、服が泥だらけになった。一行は「勲章だ」と汚れを笑い飛ばし、登山開始から約1時間後、展望台に到達した。

 晴規さんは「頂上に着いたぞ」と声を張り上げ、「クモの巣が一番大変だった。この景色が見られて気持ちがいい」と、眼下に広がる町並みや中城湾を、笑顔で眺めた。

 玉那覇さんは「登山道の整備活動を続け、西原側からも登りやすくし、子どもも高齢者も登山を楽しみ、この景色を見られるようにしたい」と話した。

 佐藤代表は「登山道整備はこれまで冬にしていた。今の季節ならではの、きれいに咲いた月桃の花など、改めて気付く運玉森の魅力も発見でき、楽しめた。毎月1回でも、道作りのための登山活動を続けたい」と話した。

(藤村謙吾)