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越来グスク整備へ資料募る 自治会と有志 県に米国調査求める


越来グスク整備へ資料募る 自治会と有志 県に米国調査求める 越来グスク整備へ資料収集の決意を新たにした関係者ら =3日、沖縄市の越来自治公民館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【沖縄】沖縄戦や戦後の開発などで遺構を含め消失した沖縄市城前町の「越来グスク」の整備へ、地元の越来自治会(船越利幸会長)と有志らが3日、同自治公民館に集まり、写真などの資料提供を呼びかけた。自治会や有志らは、県を通して米国関係団体にも働きかける予定。
 越来グスクは、後に琉球国王となった尚泰久や尚宣威が王子時代に居城とした。1400年代の朝鮮半島の地図に載るなど、海外でも要所として知られていたことが分かっている。沖縄戦の砲撃で破壊され、戦後は道路整備などで積み石が運び出され、今は面影が残っていない。
 2019年に国指定名勝「アマミクヌムイ」に追加指定されたのを受け、市は22年に整備基本計画案を策定した。ただ、資料や写真が見つからず、計画実現への足がかりがない状況だ。
 越来グスクの周知と資料探しに奔走した沖縄国際大学特別研究員の玉栄章宏さんは「琉球国王の御後絵が米国から返還された。越来グスクの資料や写真も(米国に)存在するかもしれない」と、県に対し米国関係団体へ確認することを求めた。
 沖縄市越来育成会の平良須賀子会長は「(資料を)探すのは今が最後のチャンス。越来の誇りを目に見える形にして、子どもたちへつないでいかないと」と訴えた。 (玉城文)