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「猫を幸せにしたい」 浦添の小学生・新里さん 空き缶集めて換金、猫のおやつを寄贈 沖縄


「猫を幸せにしたい」 浦添の小学生・新里さん 空き缶集めて換金、猫のおやつを寄贈 沖縄 缶集めで得たお金で保護ネコにおやつを贈った新里紀乃さん(左)と保護猫とつながるカフェ&ショップ「ヌーベルバーグ」の槇本峰代表=5月30日、宜野湾市のヌーベルバーグ
この記事を書いた人 Avatar photo 石井 恭子

【中部】「猫を幸せにしたい」と新里紀乃(きの)さん(11)=浦添市立宮城小6年=は家庭から出る缶を集めて換金し、「猫活」資金をつくっている。このほど、以前から訪れていた宜野湾市の保護猫カフェ&ショップ「ヌーベルバーグ」(槇本峰代表)に2500円ほどの資金で猫の大好きなおやつを購入し、寄贈した。紀乃さんは「野良猫も保護猫もまだたくさんいる。外にいるよりはおうちの中で安心して暮らせる環境になってほしい」と願っている。

 普段からお小遣いのほとんどを近所の猫の食べ物やおもちゃのために使うという紀乃さん。母親の梨奈さん(45)の助言もあり、所属するサッカー部が缶集めで遠征などの資金づくりをしていることから、同様に猫のための資金を集め始めた。祖父母や友人の家にも声をかけてせっせと缶を集める。

 近所の野良猫に避妊・去勢手術をして、さくら猫にして元の場所に戻す、ボランティアによるTNRの活動支援で手術前の捕獲の手伝いもしている。梨奈さんによると紀乃さんはケージに入れるのを猫に無理強いはせず、根気強く待っているという。動物が苦手な人もいることを踏まえ、地域での猫と人間の共存についても一生懸命考え、ふん集めもする。「猫の周りに子どもが集まりすぎないように注意したい。みんなに猫のことを知ってもらいたい。猫はそんなに悪くない」と気持ちを語った。

 「自分から寄っていくと逃げたりするけど、そっとしておいたら向こうから近付いてきたりする」と、猫のマイペースな生き方を尊敬している。自宅の周りでは4匹の面倒をみており、別の野良猫の世話もする。将来の夢は獣医師になり、野良猫をさくら猫にして応援していくことだ。

 ヌーベルバーグの槇本代表は保護猫支援の資金造成の難しさを語りつつ「アイデアを思いつき、実現するのがすごい。自分たちも一つ方法を教えてもらった気持ち。現状に悲観的にならずに、自分でできるボランティアの形を教えてもらった」と感謝した。紀乃さんには「将来は頑張って獣医になり、活躍してほしい」と大きな期待を寄せている。 (石井恭子)