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5人が戦争体験語る 北中城中で平和学習


5人が戦争体験語る 北中城中で平和学習 児童らに自身の体験を話す当真ユリ子さん=4日、北中城村の北中城中学校
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【北中城】北中城村の北中城中学校は4日、戦争体験者5人を招き、同校1年生向けの平和学習を実施した。やんばるやフィリピン、北中城村内で避難した沖縄戦体験者が集まり、自身の経験を伝えた。
 5人の体験者を集めたのは、小規模のグループに分けることで話しやすくすることや、体験者の声や表情を伝えやすくする目的があったという。
 北中城村内で沖縄戦を体験した当真ユリ子さん(85)は、戦争中に両親を亡くしたり、捕虜として乗せられたトラックの中で「米兵に殺されるくらいなら」と姉に首を絞められたりした経験を語り、「戦争は絶対だめ」と繰り返し生徒に伝えた=写真。
 当真さんの体験を聞いた同校1年の比嘉雄大さんは「今まで体験者の話を聞いたことはなかった。当真さんがつらい思いをしてきたことがよく分かった」と振り返った。
 今回の平和学習を実施するにあたり、北中城村の学校支援コーディネーターの玉城若子さんは「今の子どもたちが体験者の話を直接聞ける最後の世代かもしれない」と述べ、「より話しやすい環境を整える必要がある」と今後を見据えた。 (福田修平)