「経塚の碑」建立500年 「マジムン」や琉球と仏教の関係などについて講演も 浦添 沖縄


「経塚の碑」建立500年 「マジムン」や琉球と仏教の関係などについて講演も 浦添 沖縄 「経塚の碑」について講演する賀数仁然さん=1日、浦添市経塚ゆいまーるセンター
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 浦添市経塚自治会(大田朝健会長)は1日、「経塚の碑」建立500年を記念した賀数仁然さん(琉球沖縄歴史文化研究所所長)の講演会を経塚ゆいまーるセンターで開いた。

 経塚の碑は、観音菩薩の浄土である補陀落(ふだらく)山への往生を願い海上へ船出する「補陀落渡海」で、1500年代に琉球の金武に漂着した日秀上人(にっしゅうしょうにん)が、浦添の丘に出没する妖怪が村人を困らせていると聞き、「金剛経」を書いた小石を埋め「金剛嶺」と刻んだ石碑。建立して500年となる。

 賀数さんは沖縄のキジムナーや島ブー、耳切り坊主などのマジムン(妖怪)を紹介し、琉球と仏教の関係について「浦添ようどれの再現された石棺に浄土宗の阿弥陀如来の仏像が彫られていて、チベット仏教やイスラム教も書かれ、石材も中国福建省で採れる石を使用した琉球独自のチャンプルー」と紹介した。

 また「沖縄での仏教の始まりは浦添で、王府が保護する那覇で盛んになった。しかし庶民はウタキ信仰が主流で、仏教のお坊さんはマジムン退治を行う悪霊払いとして知られていた」と述べた。 

(喜納高宏通信員)