有料

あいさつしたが返事なく「おかしい」 9歳児童2人、認知症男性に声掛け、保護つなぐ 浦添・沖縄


あいさつしたが返事なく「おかしい」 9歳児童2人、認知症男性に声掛け、保護つなぐ 浦添・沖縄 子ども(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【浦添】浦添市立沢岻小学校4年の平良空斗さん(9)と田場瑛太さん(9)の2人は4月16日、浦添市経塚ゆいまーるセンター近くで立ちすくみ困っていた認知症患者の男性を、大人につないで保護する手助けを行った。

 2人はゆいまーるセンター内にある経塚児童センターに向かっていた。同センター付近の横断歩道前で立ち止まり困っている表情の男性に声をかけたが、男性は気管切開手術で声が出ないためコミュニケーションが取れなかった。以前に認知症サポーター養成講座を受講した2人は「認知症患者かも?」と思い、経塚児童センターの石川寛人館長に相談。同館内にある「地域包括支援センターさっとん」へつなぎ、ことなきを得た。

 地域包括支援センター社会福祉士の平良和土さん、玉那覇姫香さん2人が現場へ駆けつけ、筆談でコミュニケーションを取り、タクシーを呼んで無事に自宅へ送り返した。


(左から)経塚児童センターの石川寛人館長、平良空斗さん、地域包括支援センターさっとんの玉那覇姫香さん、平良和土さん=12日、浦添市経塚ゆいまーるセンター

 社会福祉士の平良さんは「養成講座を受講したとはいえ、声掛けする勇気がすごい。足も腫れていて気温も高かったので、命を救ったと言っても過言ではない」と述べた。

 助けてもらったことに感激した認知症患者から、ドリンクを買ってもらった平良空斗さんは「困っていたのであいさつしたけど返事をしないので、おかしいと思った。助かって良かった」と笑顔で話した。

 (喜納高宏通信員)