お花屋さんが作る
サステナブルなアクセサリー
検品基準を満たさず規格外になっている花や、店頭での売れ残りなどの理由からきれいな状態にもかかわらず廃棄される「ロスフラワー」。那覇市小禄に店を構える生花店「Flower citygift(フラワーシティーギフト)」の大城麗奈(れな)さんは、そんなロスフラワーを使用したアクセサリーブランド「Chula flower(チョコラ フラワー)」を立ち上げ、ロスフラワーの削減に取り組んでいる。
大城さんが「Chula flower」を立ち上げたのは3年前、念願だった生花店に勤めてからロスフラワーのことを知り、衝撃を受けたという。
「市場で流通しているお花の3~6割はロスフラワーになっているといわれています。きれいに咲いているのに、誰の手に渡ることもなく捨てられるのはかわいそう。どうにか別の形で残せたら…」と考えた大城さん。そこで趣味であるアクセサリー作りのノウハウを生かそうと思いついた。花によっては水分量などの理由によりドライフラワーへの加工が難しいものや、レジン(樹脂)との相性が悪いものもあり「たくさん失敗しました」と苦笑いする。何度も試行錯誤を重ねた現在では、独自の方法でドライフラワーに加工後、レジンでコーティング。アクセサリーに使用している。
花本来の良さを生かして
作品で意識していることは、花の美しさの再現。一番人気のヘアクリップは、花の形を残すため、花びら一枚一枚をバラバラに分解した後レジンでコーティングし、再び花びらを接着しているというので驚きだ。「花びら一つ捨てたくない」という思いから、ドライフラワーに加工する過程で落ちてしまった花びらでさえアクセサリー作りに生かしている。数種類の花に金箔やラメを散りばめて作ったハートクリップがその代表例だ。
「黒ずんでいたり、欠けている花びらはロスフラワーということが一目でわかってしまいます。女の子がお化粧をするように、お花にもラメをコーティングしたりパールを乗せたりしてメイクアップしていますね」と大城さんはほほ笑む。
思い出の花をアクセサリーに
最近では、プロポーズや卒業式などでプレゼントにもらった花をドライフラワーにしたいという人が増えているという。「今まではお花を飾って、枯れたら処分していたと思いますが、当店ではドライフラワーのブーケとしてずっと残せるようにしています」。その際に落ちた花びらなどもロスフラワーになるため、大城さんはアクセサリーに加工するサービスも提供している。
今後は「アクセサリー作りを通じて、捨てられるお花を減らしていきたいです」と話す大城さん。本来捨てられるはずだった花に新たなひかりを宿す「Chula flower」の活動に今後も注目したい。
(元澤一樹)
Chula flower(フラワーシティギフト内)
那覇市小禄421-25
営業時間=10:00~19:00(日曜のみ16:00まで)
定休日=火曜・第3日曜
TEL 098-859-8739
Instagram=@chulaflower15
(2024年11月7日付 週刊レキオ掲載)