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事故「自分ごととして想像を」 ジェット機墜落 宮森小で平和講習会


事故「自分ごととして想像を」 ジェット機墜落 宮森小で平和講習会 伊波洋正事務局長の話に耳を傾ける児童=19日、うるま市の宮森小
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 【うるま】1959年の宮森小学校への米軍ジェット機墜落事故に関連し、「石川・宮森630会」は19日、同小の児童405人を対象に平和講習会を開いた。4年生から6年生を対象にした回で講師を務めた同会の伊波洋正事務局長(71)は、ウクライナ侵攻やパレスチナでの攻撃など世界情勢などを例に挙げながら「もし自分や家族に起きたらと、想像してほしい」と訴えた。
 沖縄戦の終結から14年後に起きた米軍ジェット機墜落。児童12人と住民6人が犠牲になった。伊波さんは、当時2年生で全身にやけどを負った女の子が事故前日に作った詩を紹介するなど、亡くなった一人一人の人となりを児童に伝えた。児童は時折メモを取りながら、伊波さんの話に聞き入った。
 伊波さんは相次ぐ米軍機の事故にも触れ「『まさか』は突然やってくる。事実を具体的に知ることで、自分ごととして想像し、何ができるかを考えてほしい」と、児童へ語りかけた。
 6年生の當山愛琉(あいる)さん(11)は「5年生の頃に比べ、深く具体的に知ることができた。周りに伝えていきたい」と話した。仲宗根煌斗(こうと)さん(12)は「やけどの女の子の詩が印象に残った。知らない人に広めていきたい」と継承へ意欲を見せた。(玉城文)