有料

大綱のわら調達、稲刈りに汗 渡嘉敷 30日に大綱引き 300年の伝統つなぐ


大綱のわら調達、稲刈りに汗 渡嘉敷 30日に大綱引き 300年の伝統つなぐ 綱作り用のわら調達のため稲刈り作業に汗を流した地域住民=7日、渡嘉敷区の田んぼ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【渡嘉敷】30日に渡嘉敷村役場前大道路で開かれる、渡嘉敷村渡嘉敷区の300年余の歴史を誇る伝統行事「大綱引き」の綱作りに使用するわら調達のため、手作業による稲刈りが6、7の両日、同区の知念優区長の田んぼで行われた。地域住民ら総勢40人余がボランティアで参加した。

 同区では旧暦6月25日の6月カシキー(綱引き行事)の日に、渡嘉敷神社に祭られる神に豊穣(ほうじょう)感謝を祈る。この日に綱作りから綱引きまで行うのが習わし。米作り農家の減少や人手不足などのため、昨年から綱引きの1週間前から綱作りに取り組み、役場前の大通りで東西に分かれて綱引きをしている。

 稲は知念区長の田んぼ約2千平方メートル(約600坪)に植え付けた1期作米。猛暑の中、地域の子どもたちや住民、役場職員、学校教職員らが慣れない手作業で黄金色に実った稲穂を一束一束丁寧に刈り取り、脱穀に汗を流した。

 2日間、子ども2人と参加した地域包括支援センター指導員の島袋綾乃さんは「地域の力で渡嘉敷村の伝統を残すことに協力できてうれしい。稲作はいつまでも続けてほしい」と目を細めた。

 知念区長は「綱引きは昔から区民総出で行われる、区の3大行事の一つ。区民はじめ郷友会、観光客ら多くの方々が参加して親睦交流を図りながら行事を盛り上げてほしい」と意気込みを語った。

 (米田英明通信員)