【石垣】尖閣列島戦時遭難死没者慰霊祭(尖閣列島戦時遭難者遺族会主催)が3日、石垣市新川の慰霊碑前で開かれた。遺族や関係者ら35人が参列して焼香し、恒久平和を願った。
太平洋戦争末期の1945年6月30日、住民らを乗せ石垣島を出港した2隻の疎開船が、7月3日に米軍機の攻撃を受け1隻が沈没、1隻が尖閣諸島の魚釣島に漂着した。約1カ月の遭難で、飢え死になどで多くの人が命を落とした。
遺族会会長の宮良芳明さんは式辞で「二度と戦争を起こしてはいけない教訓を語り継いでいく」と風化させない決意を述べた。その上で、陸上自衛隊石垣駐屯地開設や八重山などで国が進める特定利用空港・港湾などにも触れ「過去のおろかな戦争を忘れ去ってしまい、勇ましく戦争へ向かっていくかのような社会情勢に危惧の念が増大するばかり」と懸念を示した。
中山義隆市長は来賓あいさつで「今日の平和と繁栄は戦火の中での尊い犠牲と遺族の苦難の上に築かれていることを忘れてはならない。尖閣で起きたこのような歴史を風化させることなく、子や孫に継承していくことが今を生きる私たちの使命である」と述べた。
遺族会は高齢化などのため、戦後80年となる来年の慰霊祭を一区切りとし、それ以降も同様の形式で継続するかどうか検討するとしている。(照屋大哲)
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「戦争の教訓語り継ぐ」決意 石垣 尖閣戦時遭難、遺族ら追悼
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琉球新報朝刊
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