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地元と一緒に継続と挑戦 読谷 ホテル日航アリビラ開業30年


地元と一緒に継続と挑戦 読谷 ホテル日航アリビラ開業30年 「地元の方と歩んでいきたい」と語る(左から)中島浩一総支配人と並里吉明総料理長=2日、読谷村儀間のホテル日航アリビラ
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 【読谷】読谷村儀間にあるホテル日航アリビラ(中島浩一総支配人)は6月27日、開業から30年になった。地元の農水産物を食材に取り入れるなど村の強みを存分に生かして、県外・海外からのゲストをもてなしてきた。「アリビラ愛」あふれるスタッフと共に、今後も地元と一緒に歩みを進めていく。
 日航アリビラはバブル経済の崩壊直後の1994年に開業した。95年には阪神淡路大震災、2001年には米同時多発テロが起きた。沖縄県内への旅行者が減少するなど、波乱の幕開けだった。30年の中で、とりわけ大きな影響をもたらしたのは新型コロナウイルス感染症の流行だった。宿泊人数も激減し、一時休館に追い込まれた。
 平たんではない道のりだったが、総支配人の中島さんは30年を迎えて「スタッフに支えられている」と感謝を伝える。
 開業から在籍する勤続30年のスタッフも少なくない。総料理長の並里吉明さんもその一人だ。「アリビラが好きなんですよね」。それぞれがアリビラでの仕事に「やりがいを感じている」という。
 並里さんは「島の恵みを大切にしたい」と地元の農家、漁師とのつながりを大切にする。料理長自ら都屋漁港のセリで仕入れるなど、読谷にこだわり、信頼関係も育んできた。「地域の作り手を大事に、アリビラならではの美食を提供している」と思いを話した。
 伝統を大事にしながらも、時代に合わせた料理も心がけているという。近年では、完全菜食のビーガン料理の提供も始めた。団体で予約が入ったり、リピーターができたりと好評だ。
 中島さんは「読谷村、地元との連携をより一層大切にしていきたい」と話す。村内の他ホテルとのコラボレーションなど、新たな取り組みも視野に入れる。「地元の方々と一日一日、歩んで行けたらと思う」と先を見据えている。  (金盛文香)