【うるま】沖縄の親戚捜しのため、単身で来沖している在ブラジル県系3世のマリアナ・ミドリ・イサガワさん(34)が12日、うるま市具志川の親戚と対面した。本紙で11日に掲載された記事を見た親戚の福地ケイ子さん(74)が、沖縄ブラジル協会会長でブラジル2世の新屋敷幸福さん(59)へ連絡し、交流会に招いた。
記事は、マリアナさんの祖父でうるま市具志川出身の伊差川実さん(故人)を紹介し、親族に関する情報を求めていた。
交流会には実さんの親戚8人が集まり、7歳でブラジルに移民して十数年前に1度だけ里帰りしたマリアナさんの父、重美さん(71)の幼少時代の思い出話などを伝えた。
重美さんのいとこの新里八重子さん(80)と神田敏子さん(76)が新屋敷さんによる通訳を交えて「お父さんに似ている」と話すと、マリアナさんは涙しながら「会えるとは思わなかった。沖縄は遠距離だが身近に感じる」と喜んだ。「おじいちゃんがつないできた親戚との縁を私が継いでいきたい」と思いを述べた。
重美さんのまたいとこで、初代うるま市長を務めた知念恒夫さん(84)は「市長時代は交流事業で南米の皆さんに大変お世話になった。ルーツを訪ねてきたマリアナさんには、今後も絆を大切にしてほしい」と語りかけた。
集まった人々は「実さんは、親戚がブラジルに行った際、アマゾンや観光名所などいろいろな所へ連れて行ってくれるチムグクルの厚い人だった」と話した。マリアナさんは「ブラジルは遠くて旅費も高額だが、25年開催予定のウチナーンチュ大会には沖縄で皆さんと再会したい」と笑顔で話した。
(喜納高宏通信員)