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泊区民館(中城村) 先祖代々暮らし 郷土愛強く<わした公民館>136


泊区民館(中城村) 先祖代々暮らし 郷土愛強く<わした公民館>136 近年、イベントが活性化してきた泊自治会の公民館と比嘉和枝会長=21日、中城村泊
この記事を書いた人 Avatar photo 梅田 正覚

 世界遺産・中城城跡のふもとの国道329号沿いにある中城村泊区。公民館敷地内には、かつて一帯が海岸線であったことを示す拝所「竜宮」がある。18世紀末に製作された「琉球国惣絵図」では海岸部は「泊湊」と記されており、集落名の語源となったとみられる。

 集落内には「阿麻和利の乱」で悲劇的な最期を遂げた護佐丸の前に、中城城跡に居住していた先中城按司(さちなかぐすくあじ)の子孫が住んだ「大屋(うふや)(泊大屋)」がある。今も県内各地に住む門中関係者がバスを貸し切って参拝する光景が見られるなど、名所の一つとなっている。

 村安里出身の比嘉和枝会長(63)は「先祖代々、泊に住んでいる住民が多い。そのため郷土愛と団結心が強い」と説明する。海外移民も多く出した。過去に公民館建設のために、南米アルゼンチンや米国ハワイなどから多くの寄付が集まった。

13日に50年ぶりに開催された泊自治会の秋祭り

 泊区は昨年、30年ぶりに老人会が復活し、10月13日には50年ぶりの秋祭りを催した。若者からお年寄りまで地域活動に積極的に参加し、絆を強めている。


 比嘉和枝自治会長から一言 公民館は家族のように、常に憩いの場でありたい。特色ある地域の歴史を子どもたちに伝え先輩たちの伝統も残したい。


 泊自治会メモ 184世帯458人(9月末現在)。山側には世界遺産・中城城跡があり、海側には吉の浦火力発電所が立地する。

 (梅田正覚)