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U18野球W杯 東恩納(沖尚)が完全試合 プエルトリコ戦五回コールド 際立つ制球、試合を支配


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【台北共同】野球のU―18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)は8日、台北などで行われ、2次リーグで日本はプエルトリコを五回で10―0と圧倒し、コールドゲームで快勝した。1次リーグからの持ち越しを含め3勝1敗。台湾はオランダを6―0で下して4勝とした。9日の2次リーグ最終戦を待たず、日本と台湾が10日の決勝に進むことが決まった。

 日本は先発の東恩納蒼(沖縄尚学)が走者を一人も出さず抑え、一回に武田(山形中央)の2点打で先制するなど13安打で得点を重ねた。

 7番右翼で出場した知花慎之助(沖縄尚学)は2打数無安打だった。台湾は1次リーグから無敗の快進撃を続けている。

プエルトリコ戦で、5回を1人の走者も出さず抑えた東恩納=台北

 圧倒的な投球で試合を支配した。決勝進出に向けた大事な一戦で、東恩納が5イニングながら「初めて」という“完全試合”。プエルトリコの打者15人を全て打ち取り「大一番で結果を残せたのは自信になる」と日に焼けた顔をほころばせた。

 制球の良さが際立つ。打たせて取るスタイルで滑り出したが、三回は「浮いたら打たれる雰囲気があった。ワンバンのつもりで投げたら空振りしてくれた」と3者連続三振。縦に鋭く落ちるスライダーで打球を飛ばすことも許さなかった。

 今夏は沖縄大会の5試合と甲子園大会の2戦目終盤まで無失点を継続し「沖縄のミスターゼロ」と呼ばれた。スイングが鋭い海外の打者相手でも安定感は変わらず、今大会は3試合で計11回を投げ被安打はわずか1。左腕エースの前田とともにまだ点を失っていない。「前田がいるので、僕は脇役。援護できるような投球をしたい」と謙遜するが、左右の両輪でチームを支えている。

 投球数が56球以上なら大会規定で今大会はもう登板できないところを、53球で封じた。10日の大会最終日に東恩納が投げられるのは、初優勝を目指す日本にとって心強い。右腕は「次もいい投球をしたい」と闘志をみなぎらせた。

 (共同=三木智隆)