プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは23日、沖縄アリーナで台北富邦ブレーブスとプレシーズンゲームを行い、79―79で引き分けた。
前半は台北の速さと高さへの対応で攻守ともに後手に回ることが多かったキングス。ヴィック・ローや松脇圭志の3点弾で食らいつくも31―37で折り返す。
後半に入ると相手の3点弾などが決まり13点差をつけられたが、ローとアレン・ダーラムが個人技で得点し、新加入の荒川颯はスチールから得点を決めるなど点差を縮めていく。第4Qにダーラムのドライブで一時逆転するも、その後は点の取り合いに。試合終了まで残り30・8秒で牧隼利が3点弾を決めたが、その後に台北にも得点され引き分けた。台北との第2戦は24日、同アリーナで行う。
キングス
79―79(15―22,16―15,23―20,25―22)
台北
キングスの練習生から22日に選手契約をした荒川颯がホームゲームに初めて立った。持ち味の激しい守備から相手の攻撃の芽をつぶす活躍に会場に集まった7377人の観客からも歓声が沸いた。
1Q(クオーター)途中からの出場となった荒川は守備で見せた。相手ハンドラーにしつこく食らいつき、リングに簡単には近づけさせない。相手はいやがり、ほかの選手へパスを回せるなど攻撃時間を奪っていった。リバウンドでは高さのある選手を体で止めて、ほかの味方選手に取らせた。
攻撃では3Qに相手のパスに飛び出して、スチールするとそのまま速攻でリングにアタックして得点を決めた。さらにハンドラーとしても攻撃の軸となり、チャンスメークをするなど活躍した。桶谷大HCも「エナジーのある守備がすごい。彼が出て劣勢なチームを助けてくれた。これだけ使えるということは開幕戦に向けていいめどがついた」と活躍を褒めた。
昨季はレバンガ北海道に所属していたが、「桶谷HCのもとでバスケットがしたい」と、練習生として7月からチームに参加し、選手契約を勝ち取った。今季は「3点弾とゲームメークとアグレッシブな守備」がテーマという。「この三つに絞り込んでチャンスをつかみ取りたい」。攻守で新たなキングスのピースになりそうな荒川の活躍から目が離せなくなりそうだ。
(屋嘉部長将)
タマヨ育てたい
桶谷大HC(キングス) サイズ感も違う海外のチームと試合ができて、いい経験になった。ビッグラインアップのある相手のテストとしてもできた。カール(・タマヨ)をもう少し育てたいので、あす(24日)の試合ではファウルトラブルなく、20分以上プレーさせたいと思っている。
多くを学べた
シェ・チンチャHC(台北) 昨年のBリーグの優勝チームと試合できて大変に光栄に思う。大変多くのものを学べて、シーズンにつなげたい。岸本隆一、松脇圭志、ヴィック・ローの3選手がとても素晴らしいと思った。