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佐賀バルーナーズ、キングスに力負け 悔しさ胸に飛翔を誓う


佐賀バルーナーズ、キングスに力負け 悔しさ胸に飛翔を誓う
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クラブ初となるB1の開幕戦で昨季王者の琉球と対戦した佐賀バルーナーズ=佐賀市のSAGAアリーナ(撮影・米倉義房)

 バスケットボール男子・Bリーグ1部(B1)西地区の佐賀バルーナーズ(佐賀市)は第1節第1日の5日、佐賀市のSAGAアリーナで昨季B1王者で同地区の琉球ゴールデンキングス(沖縄)と開幕戦を戦い、63―80で敗れた。 
 第1クオーターは佐賀のレイナルド・ガルシアの得点で幕開け。その後は最大9点差をつけられたが、角田太輝の3点シュートやガルシアのフリースローで追いすがり16―18で終えた。第2クオーターは新加入のヨーリ・チャイルズが9得点と躍動。33―44で前半を折り返した。
 第3クオーターはガルシアとチャイルズが得点を重ね、一進一退の攻防を続けて49―61。第4クオーターは先に得点を重ねたが、相手の連続3点シュートなどに苦しみ、最後まで点差を縮めることができなかった。
 次戦は第1節第2日の7日午後3時5分から、同会場で琉球ゴールデンキングスと再戦する。


 

佐賀-琉球 第2クオーター、連携して攻める佐賀の井上諒汰(右)=佐賀市のSAGAアリーナ(撮影・米倉義房)

3点シュートわずか2本 宮永HC脱帽「経験の差が出た」

 2018年にたった8人で始まった佐賀バルーナーズ。気球のように大きく舞い上がるクラブにという思いを名前に込めたチームは、結成から6年目で念願のB1の大空へ飛び立った。
 「先出し開幕」で全国から注目を集めた佐賀の初陣。就任3年目の宮永雄太ヘッドコーチは「相手は昨季王者。経験の差が出た」と脱帽した。3点シュートの成功率は8%で決めたのはわずか2本。14本決めた相手の35%を大きく下回った。「シュートを決める率やフィジカルの違い。これがB1」と王者の地力を痛感した。
 昨季B1王者を相手に最後まで食らいついたが、「全員にうまくシュートを打たせてしまった」とB1のレベルを肌で感じる試合となった。
 それでも収穫がないわけではなかった。新加入のヨーリ・チャイルズが得点を重ね、若手の角田太輝が健闘。在籍4年目のレイナルド・ガルシアは厳しい守備に苦しんだが「どれだけ成長できるかが大事。それを知るためにも開幕戦で王者と戦うことができ、いいステップアップになるはず」と初戦の敗北も前向きに捉えた。
 B1昇格初年度の上昇気流を逃すつもりはない。「みなさんのパワーをください」。指揮官は次戦の勝利をブースターと共につかみとりにいく。(北川尊教)


佐賀-琉球 第3クオーター、突破を狙うレイナルド・ガルシア(左)=佐賀市のSAGAアリーナ

ガルシア、チームB1初得点 33歳司令塔、攻撃けん引

 チームの司令塔レイナルド・ガルシアがB1の舞台でもけん引した。攻撃の起点としてチャンスをつくり、昨季B1王者に真っ向から挑んだ。
 記念すべきチームB1ファーストゴールを落ち着いて沈めた。立ち上がりから、ドリブルで切り込み、個人技の高さを見せながらも、広い視野で新加入のヨーリ・チャイルズらに何度もアシスト。得点力がある選手を生かした攻撃も光った。
 在籍4年目を迎えた33歳。昨季も大車輪の活躍でチームを最高峰に押し上げたエースは「目標だったB1に上がれたのは応援のみんなのおかげ」とファンへの感謝も口にしていた。心強い声援を力に変え、今季も熱いプレーでチームを引っ張ることを誓った。(鶴澤弘樹)


佐賀―琉球 第1クオーター、体を張って攻める佐賀のヨーリ・チャイルズ(右)=佐賀市のSAGAアリーナ

チャイルズ両チームトップ23得点 元NBAプレーヤー奮闘

新加入のヨーリ・チャイルズが両チームトップの23得点。元NBAプレーヤーの意地を見せ、ゴール下で奮闘した。
 運動能力の高さと長いリーチを生かした攻撃を展開した。仲間から高い位置でパスをもらうと、相手が体を寄せる間も与えず豪快にダンクシュート。第2クオーターには連続得点を決めるなど、前半13得点。後半も二桁得点を奪った。
 主戦場のSAGAアリーナを「自分のキャリアの中で最も素晴らしいアリーナ」と佐賀で戦う喜びを持って開幕戦に挑んだ。新しい土地での勝利を自らのゴールで切り開く。(鶴澤弘樹)


佐賀-琉球 第3クオーター、突破する佐賀の角田太輝(左)=佐賀市のSAGAアリーナ(撮影・米倉義房)

悔しさ胸に飛躍誓う 角田「技術の高さ感じた」

 江北町出身の角田太輝がB1でも遺憾なく実力を発揮した。
 特別指定と合わせプロ3年目の24歳は「7000人越えの声援の後押しがあった」と、入団時からの目標としていたB1の舞台をかみしめた。
 チーム唯一の県内出身選手として、地元で迎える開幕戦を待ちわびた。相手は昨季王者の琉球。「W杯で日本がバスケに沸き、次はBリーグの番と思って準備した」と闘志を燃やしていた。
 先発に名を連ねると、ドリブルで相手をかわし、好機をつくり続けた。だが「体の強さはもちろんだが、ボールを持っていない選手の体の当て方など技術の高さを感じた」と悔しさは残る。
 開幕前には「日本代表に絡んで行けるようアピールするシーズンにしたい」と意気込んでいた。試合には敗れたが、昨季チームを昇格へ導いた鋭い切り込みと司令塔としてのゲームメーク力は、B1に通用することを示した。チームの勝利と自らの夢へ、B1で実力を証明する。
(北川尊教)