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先生は国体選手 朝にスイム、昼は教壇、夜にラン「子どもたちの頑張るきっかけに」トライアスロン・入江 かごしま国体へ


先生は国体選手 朝にスイム、昼は教壇、夜にラン「子どもたちの頑張るきっかけに」トライアスロン・入江 かごしま国体へ 子どもたちとともに練習に励む入江紘子(左)=3日、那覇市の奥武山公園(名波一樹撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 名波 一樹

 特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」は7日、鹿児島県の白波スタジアム(鹿児島県立鴨池陸上競技場)で総合開会式が開かれ、本格開催する。17日まで鹿児島各地で熱戦が繰り広げられる。今大会は2020年に開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期された。来年から国民スポーツ大会(国スポ)に改称されるため国体としては最後となる。沖縄県からは、32競技に302人の選手・監督が出場する。今回のかごしま国体も昨年のとちぎ国体に続き、男女総合30位台を目指す。最後となる国体へ、選手たちも日頃の練習の成果を発揮すべく、意気込んでいる。


 早朝にスイム、仕事終わりにラン。翌朝にはバイク。小学校教員の入江紘子は、3種目を連続して行う過酷な競技、トライアスロンの選手だ。県内のクラブ・チームゴーヤーに所属し、練習は週に5度、シーズンに入ると毎日行う。筋力トレーニングを行い、教壇に立ちながら日々鍛錬を重ねる。

 小学2年生から高校3年生までシンクロナイズドスイミングの競技者だった。「経験のある水泳も生かしながら、新しいことに挑戦してみたい」と2019年にトライアスロンを始めた。

 初めての公式戦は21年4月の石垣島大会。「完走できるか不安だった」がエイジレースで2位に。高校以来のスポーツでの勝利体験は「自信になった」。コーチの勧めでこの年の国体出場を目指すが選ばれなかった。

 その後練習に励み、22年の栃木国体で悲願の代表入りを果たす。初めての国体は「収穫半分、悔しさ半分だった」。実力のある選手と張り合えたことに喜ぶ一方、瞬発力、技術不足などを実感した。以前は長距離をメインとする成人向けの練習に参加していたが、現在は瞬発力を鍛えるため、子どもたちとともに短距離を走る。

 2年連続2度目の出場となる今回、「順位やタイムも重要だが、一番大事にしたいのは全力を出し切ったと言えるようにすること」と言う。教員・競技者として「子どもたちや同僚、周りの人に頑張るきっかけを与えたい。わたしにしかできない伝え方だから」と笑顔を見せた。

 (名波一樹)