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【シーズン総括】FC琉球、1年でJ2復帰かなわず メンバー安定せず迷走、2度の監督交代も


【シーズン総括】FC琉球、1年でJ2復帰かなわず メンバー安定せず迷走、2度の監督交代も 琉球―富山 試合終了後、肩を落とす琉球の選手たち=11月4日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(喜瀬守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 三太

 今季からJ3で戦ったFC琉球の通算成績は12勝19敗7分けで勝ち点は43。20チーム中17位の結果に終わった。クラブ創設20周年の節目を迎え、「ONE OKINAWA」を合言葉に、1年でJ2への復帰を誓ったが成績は振るわなかった。

■二度の監督交代

 開幕時の倉貫一毅氏から喜名哲裕氏、金鍾成(キン・ジョンソン)氏へと監督交代が2度あり、チームにとって苦しい1年となった。

 開幕2連勝で幸先良くスタートしたが、守備陣のメンバーが入れ替わる不安定さもあり、チームは2度目の3連敗を喫した5月の第10節で倉貫氏から喜名氏へと指揮官を代えた。ここまでの10試合、3勝6敗1分けで17位と下位をさまよっった。

 2度目の監督就任となった喜名氏は背水の陣の思いで重責を引き受けた。「困難を乗り越えていく」と決意したが、9月にあった26節で3連敗の18位となり、監督を退いた。16試合で指揮を執り、5勝8敗3分けの内容だった。

 9月の奈良戦から指揮した金監督は「相手よりも1点上回る」攻撃サッカーを念頭に、最終戦までの11戦で4勝4敗3分けと修正を図った。

■課題と成長

 課題の多いシーズンとなったが、収穫もある。ボランチの平松昇が1年を通して得た経験値、成長力はこれからのチームを支える大きな力となる。シーズン途中に加入した柳貴博は貴重な戦力として力を発揮した。高安孝幸は守備力に課題は残ったが、両サイドを器用にこなし、攻撃では簡単にボールを奪われないドリブルの切れ味やパス供給で貢献した。

 野田隆之介主将や中野克哉といった技術力のある選手の存在は大きいが、来季に向けて守備陣の安定感がより求められる。

 阿部拓馬、清武功暉、ケルヴィン、ダニー・カルバハルら有力選手の退団が決まっており、今後はチーム戦力の補強とチームスタイルをどう構築していくかに注目が集まる。J3優勝、J2昇格の実績のある金監督の手腕とともに、それを支えるフロント側の態勢も重要になる。

 (大城三太)