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サッカー県高校新人大会 宜野湾(男子)27年ぶりV 女子は4校合同チームに栄冠 沖縄


サッカー県高校新人大会 宜野湾(男子)27年ぶりV 女子は4校合同チームに栄冠 沖縄 宜野湾―那覇西 延長前半1分、ヘディングで決勝ゴールを決める宜野湾の島袋将多(右)=3日、恩納村の赤間運動場 (大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 三太

 サッカーの県高校新人大会最終日は3日、恩納村の赤間運動場で男女決勝を行った。男子は宜野湾が延長戦の末に那覇西との接戦を1―0で制し、27年ぶり2度目の優勝をつかんだ。女子は無得点のまま延長戦でも決着がつかず、PK戦へもつれた。八重山・久米島・普天間・美里が4―2で首里を退けて栄冠を手にした。男子は宜野湾と那覇西、女子は八重山・久米島・普天間・美里の合同チームが17日に鹿児島県で開幕する九州大会に出場する予定。


島袋、延長に決勝弾

 宜野湾を優勝へと導いたのは、FW島袋将多のヘディングだった。70分間でも決着がつかず、0―0のまま迎えた延長前半すぐだった。左サイドバックの當山空翔(あきと)が「GKとDFの間をうまく狙えた」と、DF陣がとまどう位置を巧みに突いて長いクロスを放り込んだ。「空中戦に確かな自信がある」という島袋が、驚異のジャンプ力でDFを置き去りにしてねじ込み、決勝点となった。

 那覇西の決定機には、GKの仲宗根翔太がうまく反応して難を逃れ、パスワークからの波状攻撃もDF陣を中心に粘り強くしのいだ。宜野湾はスライディングでパスカットする場面も多く、対人プレーで勝利への執念を見せた。

 DF宮城太陽主将は「細かくつなぐ、長いボールを蹴る判断が中途半端にならないようにチームで心がけた」と展開の遅れを狙われないよう配慮していた。終了間際、ゴール至近距離から相手エースにシュートを放たれたが、玉那覇琉雅が滑り込んでチャンスの芽を摘み取った。

 足の速さを生かして左サイドでボールに多く絡み、前線からのプレスで圧をかけつづけたFW金城侑之慎は「九州でも足を使ってかき乱したい」と強者に挑む。

 (大城三太)

27年ぶり2度目の頂点に輝いた宜野湾イレブン
27年ぶり2度目の頂点に輝いた宜野湾イレブン

女子、八重山・久米島・普天間・美里の4校合同、PK制し歓喜に沸く

 スタメン7人を擁する八重山主体で挑んだ合同チームが首里とのPK戦を制し、歓喜に沸いた。

 ロングキックを武器に、守備の要となったのがセンターバックの佐伯美羽主将。美里の2選手とうまく呼吸を合わせた。右の上地亜寿香、左の比嘉綾華と意思疎通を図り「守備ラインを私に合わせてもらい、カバーし合うことができた」と無失点で抑えた。

決勝でPK戦の末に首里に勝利し、笑顔で駆けだす八重山・久米島・普天間・美里の選手ら(大城直也撮影)

 チームは八重山8人、美里7人、普天間2人、久米島1人で構成。八重山は2023年4月に部を発足させたばかりだが、U―15クラブ「ペドラディアマンテスガールズFC」で九州を経験した実力者ぞろいだ。ペドラも指揮する加原利之監督が育ててきた選手らが結果を残した。

 PK戦で圧をかけて相手のミスを誘ったGK石垣陽菜(ひな)は、試合でも前に出る積極守備が光り、MF加原生彩輝(いさき)は個人技を駆使して好機を生み出した。

 部員1人ながら「先生と2人で練習している」と情熱を燃やす久米島のFW糸数凪沙は「(チームに溶け込めるか)不安な面もあったが、みんな親切に接してくれた」と仲間に感謝する。「プレーで悔しさも残ったので、もっと団結して頑張りたい」と思いを一つに九州での勝利を目指す。

 (大城三太)

笑顔で初優勝を喜ぶ八重山・久米島・普天間・美里の選手たち
笑顔で初優勝を喜ぶ八重山・久米島・普天間・美里の選手たち