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柔道・中学新人大会 奥間(与那原)男子66キロ栄冠 技の応酬、大外返しで激戦制す


社会
柔道・中学新人大会 奥間(与那原)男子66キロ栄冠 技の応酬、大外返しで激戦制す 男子66キロ決勝 激戦を制した与那原の奥間虎(右)=17日、県立武道館(喜瀬守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 三太

 柔道の第67回全沖縄中学校新人大会は17日、県立武道館第3錬成道場で行われた。男子団体は南風原が5―0のオール一本勝ちで与那原を圧倒し、優勝した。女子決勝は体調不良者が出て那覇が辞退したため、西崎が不戦勝で頂点に立った。男子66キロ級は奥間虎(与那原)が渡慶次勇太(宜野湾署スポーツ少年団)との接戦を制して栄冠をつかんだ。女子57キロ級は喜久里野々花(西崎)が松田奈桜(読谷)を破り1位に輝いた。


 男子個人66キロ級は、技の応酬で互いに一歩も引かず、意地と意地がぶつかり合った。延長までもつれた激戦を奥間虎(与那原1年)が返し技で制した。

 相手が大外刈りで勝負に出た瞬間を逃さなかった。その右足を背負い投げの動作で振り払いつつ、体勢をうまく崩して反転させ、大外返しで一本を奪った。右手でがっちりつかんでいた相手の右肩奥襟を最後まで離さず、逃げる余地を与えなかった。

 相手の仕掛けを何度もしのぎ、体勢を崩されそうになっても踏ん張った。延長ではコーチらから「先に仕掛けろ。思い切りいけ」とげきが飛び交い、負けん気に火がついた。

 「相手も自分と同じく、内股、大外刈りを狙っていたが耐えることができた。最後に思い切り投げることができ、気持ち良かった」と充実感を漂わせた。

 南風原との団体戦決勝で右胸付近を痛めた。直後はかなり痛そうな様子だったが、「個人戦の2回戦からは気にならなくなった」とタフネスさを見せて戦い抜いた。

 「優勝経験は小学4年生ぶりでうれしい」と笑顔を見せつつ、「組み手では負けていた。もっと技を磨いて、夏の中体連でも優勝を狙いたい」とさらなる成長を誓った。

 (大城三太)


男子団体・南風原が優勝 オール一本で圧倒

 男子団体決勝の南風原は、オール一本勝ちで与那原を圧倒した。

南風原―与那原 素早い柔道で一本勝ちする南風原の先鋒・島袋北斗(右)(喜瀬守昭撮影)
南風原―与那原 素早い柔道で一本勝ちする南風原の先鋒・島袋北斗(右)(喜瀬守昭撮影)

 先鋒(せんぽう)の島袋北斗、次鋒(じほう)の名城和樹が、つけ入る隙を与えず、いずれも内股で瞬く間に相手をなぎ倒した。続く真栄城弓吏は寝技に持ち込んで縦四方固めで、副将の日下虎之介、大将の平良健成は払い腰でそれぞれ貫禄勝ちした。

 引退した3年生を相手に練習に取り組んでおり、鍛錬の成果がはっきりと表れた。金城幸汰主将は「練習時間はそんなに長くないが、乱取りや実戦的な練習で密度のあるメニューをこなしている」と胸を張る。

 払い腰や大外刈りが得意という平良は、個人と団体ともに全て一本勝ち。強者との戦いを渇望している様子で「九州3位以内、全国16強を目指す」と精進を誓った。

 (大城三太)


喜久里(西崎)女子57キロV 気合前面、合わせ技で奪取

 女子個人57キロ級の喜久里野々花(西崎2年)は、勝利への執念を前面に頂点をつかみ取った。

女子57キロ決勝 得意の小内刈りを仕掛ける西崎の喜久里野々花(右)=17日、県立武道館(喜瀬守昭撮影)
女子57キロ決勝 得意の小内刈りを仕掛ける西崎の喜久里野々花(右)=17日、県立武道館(喜瀬守昭撮影)

 団体戦で敗れた松田奈桜(読谷1年)を相手に、得意の小内刈りと背負い投げの合わせ技でやり返した。「動きが速く、押してくるタイミングもうまかった」と一筋縄ではいかない相手だった。自らを鼓舞するように大声で気合を込め、前に圧力をかけ攻め立てた。

 団体決勝は不戦勝。「試合をして優勝したかった」と不完全燃焼のエネルギーを個人戦に注ぎ込んだ。中体連に向けて「いろんな技に挑戦したい。相手の仕掛けを待たず、先に組み手を取る積極的な柔道を目指す」と意欲を示した。

 (大城三太)